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岡山城のお堀(「濠」かもしれない)にカンチレバートラスが架かっている。それも、トンガリがひとつの、まるで斜張橋のようなものが。

歩道橋であるため、非常に細身。スパンが長いのにポニートラスであるため、トラス桁の高さがある。こういう、背の高いポニートラスは大好きだ。

左右のトラスを天で結んで箱状にする通常のトラス橋ならここまでの高さは必要なくなると思うが、そうすると人が通れないし強い圧迫感も出る。そのあたりのバランスの上で成り立つ(と思う)背の高いポニートラスはかっこいい。

トンガリ部分がひとつしかないので、それを挟んで両側が吊り桁かと思いきや、お城の内側(北側)が碇着桁で、外側(南側)が吊り桁だ。家の写真はお城方向を見た者で、上弦にピンが見える。トンガリの向こう側にはピンはない。

下弦のピン。

お城の内側から。


うっかり桁裏を撮り忘れた。



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高梁川にかかるカンチレバートラス、水内橋(みのちはし)。2013年5月の訪問時は補修工事中だった。写真は上流側からで、左の洞門は国道180号。写真が傾いているように見えるだろうが、右岸(写真右)に向かって上りになっている。

上流・右岸から。

左岸(国道側)正面。重量制限は12t。左右の上弦に載る標識は「水内橋」と書いてある。親柱はない。

カンチレバートラスたる、吊桁が載る部分。定着桁に載っているだけなのだろうか。接合するピン等があるのかわからない。

欄干、鋳鉄製だろうか。開通当初からあるものだろうか。


塗装標記は端柱に、横に書かれている。高梁川の橋梁群の塗装標記は、位置がおかしなものが散見される。

歴史的鋼橋集覧はこちら






紀伊半島西部、御坊市の日高川にかかる国道42号の橋梁。流路をカンチレバートラスで、河川敷部分は北側を1スパン、南側を3スパンのポニートラスで跨いでいる。上の写真は西側(河口側)から。上流側には歩道がつけられている。

南側。左の親柱には「昭和三十年○月竣功」(←読めない)、右は銘板などなく単なる隅石である。

歩道を歩くと橋脚が2組見える。これは後述する。

まずは銘板。

昭和30年(1955)
和歌山県建造
内示(昭和14年)一等橋
製作 汽車製造株式会社

吊桁との接合部を見る。道路に継ぎ目がある部分の両脇の垂直材から右が吊桁。


上弦、加減ともピン結合。

北側の右の親柱には「天田橋」。あまだはし、と読む。左は南側と同じく隅石的なもので銘板ナシ。

北側、ポニートラス部分とその向こうにカンチレバートラス部分。

* * *

さて、橋脚について。
こういう石積のものが二つと…

コンクリート製のものが一つ、ある。

天田橋で検索をかけたら、GNRがトップでヒットした。既に@golgodenka さんが検証していた…ので、詳細はGNRにお任せするとして、土木学会の橋梁史年表で見ると、下記のような変遷を経ているようだ。●は確定、▲は御坊とは書いていないが橋長からしてこの天田橋だろうと推測できるもの。

●(1)1876-3 橋長(m): 113 幅員(m): 1.8 形式: 木橋 下部工: 特記事項: これ迄は渡船。1876年7月流失。 1887年架替え

●(2)1887年 (1)の記述より。

●(3)1902-1 橋名: 天田橋 ルビ: あまだ 開通年月日: 1902-1 橋長(m): 166 幅員(m): 2.7 形式: 木橋 下部工: 特記事項: 場所: 和歌山県 御坊市 河川名: 日高川 出典:

▲(4)1905-3 橋名: 天田橋 ルビ: あまだ 開通年月日: 1905-3 橋長(m): 幅員(m): 道路 形式: 木橋 下部工: 特記事項: 1912年当時はL=164 b=3.6 板橋。1919年8月,1925年,架替え. 1928年6月2日流失 。1930年12月架設、流失。 場所

▲(5)1919年 架け替え(4)の記述より

▲(6)1926年 架け替え(4)の記述より

▲(7)1931-11 橋名: 天田橋 ルビ: あまだ 開通年月日: 1931-11 橋長(m): 186 幅員(m): 5.5 形式: 下路単純トラス橋 l=1x45.7 プレートガーダー 播磨造船所製 木桁橋 下部工: 特記事項: 1953年7月18日一部流失、9月 復旧 ,1954年      

●(8)1955-12-9 橋名: 天田橋 ルビ: あまだ 開通年月日: 1955-12-9 橋長(m): 304.2 幅員(m): 7.58 形式: 下路カンチレバートラス橋 l=3@51.1 単純ポニートラス橋 l=(3+1)x36.5 上部工 汽車製造 下部工: 空気ケーソン基礎基礎 下部


国土変遷アーカイブから、1947年撮影のものと2008年撮影のものを見比べ、GIFアニメを作った。

http://www.bannerkoubou.com/photosharing/image_view.php?data=9074.gif

ここから時代と照らし合わせて、石積橋脚は(6)以前のもの、コンクリートは(7)のもの…と推測した。果たして、答えは?










国道168号を十津川からさらに南下し、和歌山県に入る。国道の旧道部分に、このカンチレバートラスが架かっている。天気はよく、通るクルマなどない旧道。それでも、敷屋大橋は美しくそこにあった。

カンチレバートラスは、美しい。

南側の左右の親柱。左「熊野川」、右「敷屋大橋」。

写真を見ていて気づいたのだけれど、南側は側径間といっていいのか、一径間ある。写真の端柱の真下には橋台ではなく橋脚がある。

銘板。

1960年4月
電源開発株式会社建造
建示(1955)一等橋
製作KK駒井鉄工所
材質 SS41

銘板は、反対側にも同じものが付いていた。

この橋でおもしろいのは、碇着桁と吊桁の連結部分に、落橋防止の部材が追加されていることである。写真のように、碇着桁の上弦と吊桁の垂直材とを結ぶワイヤが片側に2本ずつある。

このような形で後付けされている。この垂直材も、鋼鈑を重ねる形で補強されている。

ワイヤーは万が一の時に緊張すればいいからか、触れば揺れるし、上写真のピンを中心に簡単に手で回転させられる。

北側。親柱は左「昭和35年5月竣功」、右「しきやおおはし」。右の端柱には銘板、左の端柱には下記の表記がある。


平成13年度
水力発電施設周辺地域
交付金事業

このすぐ下流に十津川第二発電所がある。電源開発所有・運営で、そのために架けられた橋ということだろう。この交付金事業でなされたのが、この落橋対策だろうか、それとも塗装だろうか。そこまではわからなかった。



20120721_011.JPG宮城県の鳴子温泉から山三つ東側、国道398号が花山湖を渡るところに架かっている座主橋…の旧道。現在は人道橋として利用されている。この日は雨が降っていたということもあり、迂闊にも、遠方からのシチサン写真または真横の写真がない。美しいmポニートラスのカンチレバートラスなのに。

上の写真は北側(左岸)、ここでブヨに7箇所食われて、いまだに足に傷跡がある…。

20120721_010.JPG北から南を見る。西側(画像右)が柵で仕切られ、水道管のようなものが2本、設置されている。そのために歩道は東側(画像左)にオフセットされ、写真を撮るときの平衡感覚がおかしくなって、以下の写真ともうまく撮れていない。

こちらには銘板はない。また、柵は人道橋化してから作ったもののようだ。

20120721_005.JPG振り返る形で吊桁と碇着桁の接合部を見る。ピンが2ヶ所に見える。上弦のピンは碇着桁と吊桁をつなぐもの、垂直材上部のピンは、吊桁の構成要素のひとつ…だろうか。

20120721_006.JPG真横(西側のトラス)。

20120721_008.JPG別角度(西側のトラス)。

20120721_007.JPGピンがある垂直材と下弦、床版の接合部(東側のトラス)。床版の境から左が碇着桁、右が吊桁。

20120721_004.JPG吊桁の中央付近から振り向く。各碇着桁は頂部の吊桁側で3ヶ所、左右のトラスの上弦を横桁が結んでいる。

20120721_002.JPG南側の、碇着桁と吊桁の接合部。北側と違い、垂直材にピンはない。

20120721_003.JPGその下弦部。

20120721_001.JPG南側から北側を。

20120721_000.JPG南側。こうして見ると、左右のトラスを結ぶ横桁が合計6ヶ所あるのがわかる。

20120721_013.jpg南側には銘板がある。

昭和30年(1955)
宮城縣建造
内示 昭和14年二等橋
製作 ●●所

製造所は、現地で読んだ記憶では浅野造船なのだが、この写真では読めない…。ご教示ください…。

***

冒頭の写真に戻る。
20120721_011.JPGこの写真、橋の左側の湖面に橋脚跡のようなものがある。この座主橋が旧橋なので、これは旧旧橋にあたる。

肉眼では、橋脚跡付近に路面が見えたが、ちょっと全体の色味を調整してみると…

20120721_009.JPG橋脚跡かと思った突起は、旧旧橋の親柱だ。親柱から左は路面が残り、写真下に向けてデルタ状に広がっている。そこはもう陸地だったかのようにも見える。





最後に。
20120721_012.JPGこの座主橋、塗色がおかしい。緑と肌色のツートン。こんなツートンは、京都の木津川にかかる笠置橋しか見たことがない。また、垂直材の褪せた肌色の下からは、黄色が見えている。

この座主橋、銀色に塗装したら映えると思うよ!



 


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