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そぼ降る雨の夕暮れ時、新潟県の国道353号をバイクで走っていたら、巨大な円筒型原油タンクのようなものに出くわした。こんな山の中に原油タンクがあるわけもなく、また、外板は耐候鋼板の色をしている。ただ、暗かったこと、雨だったことでその日はスルーしたのだが、その数分後にhachimさんが下記のようにツイート(hachimさんがこの日この時刻に撮影したという意味ではない)。

そういうものだったのか! というわけで、翌日の帰り道にここに立ち寄った。

写真の右側には「谷」がある(右の仮設車道の下は棚田で、その下が船繫(ふねつなぎ)川)ので、一目で砂防えん堤だとわかる光景ではないが、現地に建てられた説明看板を見るとよく理解できる。どちらもクリック後、拡大してご覧いただきたい。

左の説明文を書き起こす。

「トヤ沢川災害関連緊急砂防事業(中魚沼郡津南町大字三箇)」

 当現場では平成23年3月12日長野県北部地震(最大震度6弱)の発生に伴い山腹斜面崩壊が発生しました。崩壊した土砂は、下流の積雪や土砂を巻き込んで土石流となって流下し、延長約100mに渡って国道353号を埋塞しました。
 平成23年4月に災害関連緊急砂防事業が採択された直後に、地震によって緩んだ地山に融雪・降雨が浸透したことによる2回の拡大崩落が発生し、国道から上流側には約16万m^3の土砂が最大厚15mで堆積しました。

 現地測量・地質調査結果当を踏まえ構造設計や経済比較した結果、砂防えん堤本体は鋼製セル式えん堤を主構造として、一部右岸地山陥入部はコンクリート重力式えん堤、左岸側造成地山はINSEM-ダブルウォールを採用しています。
 鋼製セル・INSEM-ダブルウォールはどちらも、鋼矢板等鋼材で外枠を築造し、土砂を中詰めする構造です。現地崩積土砂を中詰土砂として有効利用し、建設残土をゼロに抑制します。

おそらくこちらは直後に建てられた説明板。まだ鋼製セル式えん堤が写っていないし説明もない。


「辰ノ口地区(中魚沼郡津南町大字三箇)の土砂崩落について」

(内容が重複する箇所は割愛)
 また、約2万m^3の不安定土塊が斜面上に残存しているとともに、約1万m^3の拡大崩落の恐れが見込まれています。

 現在は、今後国道や船繋川に流出する可能性のある不安定土塊に対して応急工事を実施しているとともに、本復旧工事について調査・設計作業中です。

円筒形なので、なかなか大きさを実感できないが、左下の小屋の大きさをみたらわかろう。これらは原油タンクのような表面ではなく、鋼矢板を組み合わせているので、近づくと、モザイク状になっている。近づくことはできず、また望遠レンズも持っていなかったので、上写真からトリミングを。



●造成中の写真を含む報告(PDF)
トヤ沢災害関連緊急砂防事業(PDF形式 929 キロバイト)

●施工会社と思われる共生機構のサイト
http://www.kyosei-kk.co.jp/case/sabouentei/cell/

●hachimさんの記事はこちら
アートエリア内の砂防堰堤 - 何かからはみ出した、もうひとつの風景

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