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国鉄民営化に向けてひた走っている、昭和61年9月に刊行された本。「刊行にあたって」には、すでに組合同士の対立や分裂が激しく、十以上の組合ができている中で、分割・民営化に反対する国労、動労千葉、全動労の三組合から集めた手記だ。

本書には、当時の職場の雰囲気の一部、追い詰められた側の声が綴られている。これは本当にそういう考え方の人たちがいて、そういう雰囲気だったのだろう。穏健な意見もあるが、それ以上に「闘わねば労働者ではない」というような、目的と手段が完全に逆転した意見が多い。単語も極めて政治闘争風で、中曽根はファッショであり動労は犬と言う人のいかに多いことか。

読んで思うのは、こうした考え方についていけなかった人が多いのだろうなということ。言い換えれば、こうした考え方が、逆に分割・民営化を促進したんだろうなということ。もし、国労も主張を転換し、分割・民営化に部分的にせよ認める方向に舵を切ることができていたら、いまのJRはどうなっていただろうか。

部外者には伝わりにくい当時の雰囲気を色濃く感じさせてくれる本書は貴重な一書である。
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