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『廃線跡の記録4』でLEVEL_7Gさんがレポートしている国見山鉱山に行ってきた。目的はこのランガートラスだ。

最初、twitterで写真を見たときにはボーストリングトラスかと思ったのだが、よく見ればトラスの上にアーチがある。これは関西本線木津川橋梁と同じ種類だと思い、そのようにお伝えした。つまり、もとはポニートラスであり、それを補強するためにアーチをかけ、ランガートラスにした…というものだ。

しかし、実際に見てみると、どうもそうではないと見える。このあたり、LEVEL_7Gさんとは見解が異なるのだが、私のは状況証拠からの素人の見立てなので、そのあたりはお含みいただきたい。

桁は、軌間610mmの中部軌道にあり、複線のうち片側が撤去されている。左右のランガートラスはアーチ上部で結合されているが、構造部材ではなく、倒れ込みを防止する程度のものに見える。

また、右側のように、縦桁が橋台というか地上というか、こちら側に突き刺さっている。どうも「適当さ」がちらつく。

よく見ると、奥に小さなアーチがある。これは後述。

このようにポニートラスの外側には、倒れ込み防止の三角形にアングルが汲まれている。しかし、アーチの部材は後付けとは思えず、ポニートラスの端柱から下弦の内側にリベット留めされ、そこに横桁も鋲結されている。これは小さなアーチの写真でよくわかる。

上の写真左下に鉄製の橋脚が四角いコンクリートブロックに刺さっている。写真ではわかりづらいが、これは宙に浮いている。ちょっと押してみるとぶらんぶらんと揺れ、それが原因で脚がもげたり、ひいては橋が倒壊したりしては大変なので、あわてて揺れを止めた。

裏側。縦桁が2本。ポニートラスの下弦材より太く見えるが、同じ厚さ・幅のL字型のアングル材である。背面同士で組み合わせて凸状にしたものを2組つくり、その間を縦の帯材で結んでいる。通常のトラス橋の縦桁のように、I字鋼よりはよほど弱そうだ。

橋台を見ると、河原の石を積んだ部分とコンクリートの部分がある。おそらくコンクリートは後年の補修。そして、そのコンクリートの中には腐った木材が見えていた。この付近の川の流れは何度か変わったようで、橋台や周辺の土木構造物は破壊されていた。

小さな方のランガートラス。

真横から。

先に述べたように、アーチの部材がトラスの下弦につながっているのがわかる。

ランガーの吊り材が、トラスの垂直材の外側についているのだが、斜材や倒れ込み防止の外側の部材との接合を見ると、最初からこうなっているように見える。


見た目はランガートラスだが、その成り立ちが、最初からなのか、ポニートラスをあとからランガー補強したのか。私は前者の見解だが、そもそも、これから他の橋も挙げるが、かなり適当な作りという印象も受ける。ここはそのまま鑑賞したい。

(関連事項)
横桁が強そうな橋(国見山鉱山中部軌道)
国見山鉱山のベルトコンベアと、そこに残る中部軌道の線路
国見山鉱山D-507の解体
国見山鉱山の光景


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