久しぶりに、アメリカン・ブリッジのピン結合200フィートプラットトラス。福井県の越美北線の柿ヶ島駅のすぐそばにある。暴れ川である九頭竜川を200フィートのプラットトラス1連と短いプレートガーダー計7連、橋長214mでまたいでいるのだが、こうして見ると、上流なのに川幅がこれだけ広いというのが実感できる。これは、南側の国道158号から見下ろしている。
場所はここ。 反対側から見る。写真左が柿ヶ島駅。 下唯野側の鈑桁。22.3mの6連。 拡大すると「第一九頭竜川」と書いてあるのだが、文字の高さが揃っていない。「第一/頭」「九/竜川」でそれぞれ段差がある。 美しい、9パネルのプラットトラス。 真横。斜材を叩いてゴイーン…ってしてみたい。 下弦。このアイバーの並びが美しい。 柿ヶ島駅からはこの近さ。 ここに銘板があるが… 上が、アメリカン・ブリッジの銘板、左右が欠けており、「(AMERI)CAN B(RIDGE)」「(CO)MPAN(Y)」「(N)EW YO(RK)」「(US)A 19(11)」。 その下には国鉄の銘板。 「日本国有鉄道/1962-3/TTR462-1/**** **** /株式会社宮地鉄工所/********」 1962年? 越美北線が、この区間を含む勝原まで開通したのは1960年(昭和35年)12月15日。しかし、ここには1962年の銘板がある、ということは、架け替えられているということだ。 冒頭で、トラスで流路を、鈑桁で溢流部を…というようなことを書いたが、開通時には9連の鈑桁で構成されていた。それが、開通翌年である1961年9月14日から16日にかけて日本各地に甚大な被害をもたらした第二室戸台風による増水で橋脚3基が倒壊、鈑桁も流失した。台風による福井県の被害は、流失・家屋損壊125戸、農地及び宅地の浸水面積3264Ha。この台風により、全国で194名が亡くなった。 復旧工事には、東海道本線の大井川橋梁からの桁を転用した。それが、このプラットトラスだ。宮地鉄工所で改造し、流路部分に架けた。柿ヶ島寄りの1スパンは、コンクリート桁に置き換えた。そのため、9スパンだったものが8スパンになった。 …これは帰宅後にわかったもので、もし事前にわかっていたら、鈑桁やコンクリート桁の銘板類も撮ってきていたのだが…。 ディテール。 さて、どこが改造された部分か。 自分の過去の記事(カテゴリー「アメリカン・ブリッジ」をご覧ください)と見比べても、ちょっとよくわからない。不勉強ですみません。 <参考> ・歴史的鋼橋集覧 ・ 水害と治水事業の沿革(PDF) <関連項目> ・[西勝原第三発電所の水圧管路と九頭竜川第二橋梁] ・[無表情な戦後型のポニープラットトラス] ・[小舟渡橋 その1 (福井県)] ・[小舟渡橋 その2 (福井県)] PR |
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