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北海道の赤井川村にある都郵便局。こちらが正面なのだが、おもしろいことに道路に対して斜めになっている。建物の軒下に「〒」「ゆうちょ」の行灯に注目したい。それらは普通は「ゆうちょ」の向きでついている……道路を行くクルマと対向するようについているのだが、道路に対して斜めになっているため、「〒」の行灯が建物の横についている。これは珍しい。

これくらい斜めになっている。道路に対して135度斜めになっており、むしろ尻を向けている。なぜこうなったのかといえば、おそらく、かつてはこの真正面を道路が横切っていたのだろう。写真でいえば、右から左下へ、である。

では、その「かつて」を探ってみる。旧版地形図を求めれば一番いいのだけれど、オンラインで取得できるものから考察する。

 
(Kashmir3D+50mDEM+数値地図25000/地理院地図(空中写真1974-1978))

上左の地図は現在のもの。上右は1976年(CHO764-C17とC18の合成と思われる)。東西を結ぶ道路その他が少しずつ改良されているのがわかるが、「大正橋」の架かり方は変わらない。2大正橋の開通は1963年。ではさらに古いものとなると、米軍撮影の航空写真しかない。

(地図・空中写真閲覧サービスよりUSA-M469-90(1947年9月撮影)をトリミング)

この局舎が1947年に作られているとは思えないのでここに写っているとしたらその前身だろう。それにしても、道路に135度尻を向けているということはなく、道路と90度になっているだろうことは見て取れる。90度ならば、理解できる。ただし、建替の際の制約などからこうなった可能性もぬぐいきれず、そのあたりを想像することが楽しいのだ、ということでこれ以上の詮索はしないでおく。

おっと、肝心なことを忘れていた。

 
この都郵便局には、旧郵政書体が残っている。

* * *

なお、赤井川村は、下の地図でいうと渦巻きの中にある。この渦巻きはカルデラであり、南側が切れていて、そこから川が時計回りに流れ出す、その切れているあたりにあるのがこの都集落である。

 
(カシミール3D+数値地図20万+50mDEM)

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