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DPZに『「マイ橋」に夢中』という大山顕さんの記事がある。今回の橋は、これに類するものではあるのだけれど、いささか規模が大きいと思う。

「マイ橋」はプライベートなものなので、場所は、山形県のどこか、としておこう。写真のような木橋があった。最初、これが「マイ橋」だとは思わなかったのは、その向こうに普通の鋼ガーダー橋が架かっているからだ。

橋台はしっかりしたコンクリート製。そこに電柱のような丸太を2本平行して渡し、その上に横桁をかまして、さらにその上に2本平行して渡し、さらにさらに横桁をかまして上に床版を敷いているようだ。縦桁たる丸太には、雨よけに金属板がかぶせられている。橋台から、方杖が出ている。

床版にはタイヤの跡。ということはクルマが乗っても大丈夫なだけの強度はあるようだ。もっとも、中央部が垂下しているけれど。

床版と道路の段差を埋めるコンクリートには、「17」「5!25」(?)と刻まれていた。なんだろう?



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『東京の鉄道ネットワークはこうつくられた』(高松良晴著/交通新聞社新書)に「大井工場は、1910年(明治43年)に品川の高台8万9000坪を切り崩して建てられた。切り崩した土は、品川駅構内の埋立拡張に使われた」(磯部注:8万9000坪=29.37ha)とあったので、地形をカシミール3Dと今昔マップで見てみた。私の世代にとっては「東京総合車両センター」というよりは、東側は「大崎電車区」あるいは「山手電車区」、西側は「大井工場」というほうがピンとくる。東側が、車両基地としては異例の2階建てとなっている。

まず、現在の姿から。
 
(Kashmir3D+地理院地図+5mDEM)

みごとに整地されている。5mDEMで読み取ると、敷地の北側は標高6mほど、南は8mほどだ。西側の車両基地部分の5mDEMを見ると、通常、「地表面の建築物等を除去した状態」で作られているが、ここでは車両基地の2階部分を「地形」と認識しているようだ。入出庫線、上の地図でいうと8本に分岐する線の左に細長い地形の欠き取りが見える、ここが「地上」であり、それにつながる1階部分(からさらに基礎などの建築部分を除去したところ)が「地面」になっている。

車両基地の1階部分の写真はほとんど見たことがないのだけれど、こちらのサイトにあった。
http://acafe.msc.sony.jp/photo/detail/item/000009022367E9



次いで、明治中期までに作られた「迅速測図」に、現在の5mDEMを重ねて見てみよう。
 
(Kashmir3D+迅速測図(農研機構)+地理院地図+5mDEM)

冒頭の通り、欠き取った部分は「8万9000坪=29.37ha」である。そのなかでも、赤く塗った部分が、地形を「大きく」欠き取った部分だ。カシミール3Dで測定すると、この赤く塗った部分だけで約16.5haある。また、17.78mの三角点がある、いまこの地点は7mほどなので、かなりの土を欠き取ったということになる。上の地図で欠き取り部分の左側、ちょっと高くなっているところが標高18mくらいだ。

迅速測図の等高線間隔は5mなので、上の地図の赤い部分には、10m、15m、20mの等高線が含まれることになる。大部分は標高15m以上だ。16.5haに渡って標高15mを8mまでに掘り下げたと(少なめに見て)計算すると、112万立米。500m四方を4.48m嵩上げするだけの土砂である。

欠き取った台地の北側、低地部分は、今昔マップで少し後の時代の地形図を見ると、当時は湿田の記号が描かれている。ということは、そのあたりにはそれなりに客土をしたに違いない。なにしろ重い鉄道車両が通るのだ。


さて、ではその欠き取った地図で整備した品川駅構内の変遷を。まず、迅速測図。

(Kashmir3D+迅速測図(農研機構))
鉄道は、上図の左右中央に2条線で描かれている。ここが、海に張り出した区間だ。

次いで、大井工場ができた後の地図。範囲は上図と同じ。
 
(Kashmir3D+今昔マップ1917-24)

見事に品川駅が拡張されている。実際の姿はわからないが、地図で見ると、港湾のような印象だ。欠き取られた部分は武蔵野段丘、それを、品川駅付近、立川段丘の下に持って行ったのだった。



インプットがなかったり、書きたいことがあるんだけれども対象が大きすぎて数日かかってもまとめられなかったり、忙しかったりして更新ができずにおりますが、息抜き的にRMXの整備を。

先日、月刊ガルルの取材にRMXを持って行ったところ、石井正美さんに「メーターギヤの位置がおかしいよ」と指摘された。正しい位置から前方向に回転している、たしかにおかしい。たぶんこのままけっこう乗ってしまっていた。正常に動いているし。

後日、十数年ぶりに中津川林道などを走りに行ってきたのだが、走り出してすぐ、メーターが動いていないことに気づいた。石井さんに指摘されたときに直していれば…と思っても仕方がない。スピードメーターはなくてもほぼわかるが、走行距離を見ながら走るため、トリップメーターは必須だ。

帰宅後、どこが悪いかをチェックする。

メーターギヤそのものか、ワイヤーか。まずメーターギヤを見ると、ギヤの直上、ケーブルが不自然に折れ曲がっている。これか…と思ったが、とりあえずギヤそのものもチェック。こちらは正常に作動するようだ。







次に、ケーブル。ヘッドライトをはずし、その裏にあるメーターに突き刺さっているケーブルケースを外すと、ケーブルが出てきた。ケーブルは四角い断面をしている。ギヤを回しても、まったく動かない。ふとつまんだら、ズズズっとケーブルが出てきてびっくりした。どこかで切れている。

ギヤに戻ってケーブルとの接合部を取り外すと、ギヤのすぐ上でねじ切れていた。ここで初めて知ったのだが、メーターケーブルはスプリング状なんだな。それを、メーターへの差し込み口付近だけ、断面が四角になりように加工してある。なんどもメーターの脱着で抜き差ししているくせに、全く気づかなかった。




 
(画像はamazonより。amazonにリンク)

八馬さんがオランダに滞在しているときはtwitterで、その後もブログ何かからはみ出した、もうひとつの風景で散発的にそのご覧になったドボクを拝見してきたが、それとこれとはまったく違う、というのが第一印象だった。見たこと感じたことをきちんとトータルでまとめることの大切さが、ここにある。

写真も真摯だ。それぞれ現地で可能な限り「それがかっこよく見える場所」まで歩き回り、周辺の人がいなくなるまで待ち、撮影されているものと思う。そして、移動中のエレベーター内や、高架橋を走る電車などのシャッターチャンスも逃していない。



それぞれの専門用語の解説はないが、流れるように文章に組み込まれていて、知らない人はそのまま読んでも話として通じるようになっている。その合間に時折、ざっくばらんすぎる表現が顔を出す。「胸焼けして気持ち悪くなっちゃう感じだ」などという日常感覚の比喩は、おそらく土木や建築の専門家が書くものとしては相当に冒険だろう。

例えば、デルタワークスや運河エレベーターのキャプションにある
「脳みそがしびれてしまう」
「説明することは難しいのだが、あまりにもばかげているので調べてみてほしい」
「水色と黄色のゆるキャラコーデ」
といった言い回し、私が担当する本で著者がこういう風に書いてきたらいろいろ悩むと思うが、これで押し切った編集者はすごいと思う。大きく勉強になった。



本書は「すごいから見て!」という姿勢で一貫している。先に「見たこと感じたことをきちんとトータルでまとめる」と書いたが、とはいえ、絶対に存在するはずの、著者の得た感覚や知見はかなり隠されている。本書らしいし、これはガイドブックのセオリーでもある。

実はいま、著者の主観こそが求められていて、そこにこそ本の商品価値があると私は信じているのだが、よく考えると、それを実現するにはそのジャンルの基礎的な本が相当充実していなければならない。ドボクのガイドブックが充実しているとはいいがたい現在、まずは基礎となる本書では、まだそこまでいかず、「すごいから見て!」という紹介が最適だと感じた。その上で、いつか主観ばかりのドボクガイドブックが出たら、そのときが、ドボクが一般性を得たときということができると思う。



まったく枝葉末節の話で恐縮だが、現地でカメラを更新したのではないか。掲載されている写真の画質が2パターンある気がする。

 
JR羽越本線三瀬駅に向かう人をインターセプトするように立ちはだかる、日本海東北道の三瀬ICの看板。駅に向かっていた優先道路を行くと、うっかり高速道路に入ってしまいそうだ。

…と思いきや、右折してもこのとおり。この先、対向車の行き違いもちょっと困難な細い道を通り、三瀬ICにつながっている。

駅と、この距離で高速道路の入口を案内している看板はないのではなかろうか。

三瀬駅は、かつての国鉄新潟鉄道管理局管内にあったカプセル駅舎を想起させる。これで各部にRがあれば「兄弟」なのだが。建物財産標などを確認してくればよかった。

<参考>
カプセル駅 古津駅
カプセル駅 妙法寺駅
カプセル駅 上下浜駅

 


spcl.thnx 丸田祥三さん


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