いまのJR吾妻線は戦時中に群馬鉄山からの鉄鉱石輸送のために敷設された路線だ。長野原から北へ6km弱、太子(おおし)駅まで専用線が伸びていた。戦後、旅客輸送もなされたが、1970年には休止。以後45年経ち、かつてのホームととともに「駅便」が残っている。この駅便は公衆トイレとしていまも使われている。 男子用の朝顔が三つ。しかし、旅客営業していた当時でさえ三つも必要だったのかどうか。 個室には小振りな便器。清掃が行き届いているということは、放置でもなく、誰も使っていないわけではないということ。木桟の窓が少し開いていた。 天井の電球は取り外されていた。配線は剥き出しの銅線か。 太子駅全景。左が道路で、そのさらに左の山越しに、鉄鉱石がこのホッパーまで来ていたようだ。連れて行ってくださった丸田祥三さんによれば、このホッパーはつい去年まで半分以上は土に埋もれて木が生い茂っていたそう。それが、きれいさっぱり土砂が取り除かれている。「数十年かけて積み重ねてきたもの」を除去してしまったということだ。 いままでの「時間の積み重ね」に思いを馳せるためにここに来ていた人たちは、おそらくもう来なくなるのではないか。もっとも、土砂の除去は小ぎれいにするためなのか、あるいは別の理由…たとえば危険性の除去なのか、私には分からない。 現在、知床林道は一般車通行止めだが、かつては知床大橋までは行けた。その先は通行止めだったはずだが、もしずっと行けたら、この橋にいきあたっていたはずだ。この橋はテッパンベツ川にかかるもので、橋台は木材で枠を作って石を詰め、そこにH型鋼を渡している…ように見える。H型鋼の側面にはコンクリートがこびりついているようにも見え、どのような経緯でこうなったのだろうか。 この写真は知床岬へのクルーズ船から撮ったもので、手前にはヒグマが写っている。 そこからカメラを左に振ると、建物がいくつか見える。昆布漁の番屋だろうか。トラッククレーンやタンクローリーも見えるので、先の橋はかなりの重量車でも通行可能ということになる。この番屋の建設資材もあの橋経由だったのだろうか、それとも海上からクレーンで渡したのだろうか。 知床林道の近くまで何度も行きながら、知床大橋まではついに行かなかった。おかしなもので、1992年に岩尾別から羅臼岳に登り、羅臼平で1泊、そのまま硫黄山まで縦走してカムイワッカの湯滝に下山したことがあるので、「おれは知床半島の尾根を歩いたんだ、だからバイクで行けるような場所などわざわざ行かなくていい」などと思っていた。いやまったく、これは間違いだった。行っておけばよかったと大きく後悔している。
子供の頃、実家の裏の松林に、バスの廃車体があった。なぜそんな場所にあったのかはわからない。いつまであったのかも定かでない。おそらく私が小学校に上がる前にはなくなってしまったのではなかろうか。その廃バスは子供たちの遊び場になっていて、運転席は取り合いだった。もちろん窓ガラスなんかはなかった。
廃バスはそこかしこで見かけるが、私はバスについての知識はない。たまたま、丸田祥三さんの撮影にお供した際にいくつか見かけたものを下記にアップする。珍しいものもあるようだ。 ●千曲自動車 いすゞBA741 『日本の廃道』の「ご巡幸道路」の記事でヨッキれんさんが触れていたもの。タモリ倶楽部でもヨッキさんが紹介していた。バス後部窓の右内側に、鉄道用ディーゼルカーの排気管のような筒状のものがあるのだけれど、これはなんだろう? ●日産5RA 長野原町の国道沿いに、廃バスがたくさんある地域がある。そこで見かけたもの。丸田さんがtwitterにアップしたら、すかさずCURIOUS編集部が下記のツイートを。
●日野RM100 「常盤館」とある。合宿所の送迎バスかなにかだろうか。 ●不詳 やはり「常盤館」とある。前面に簡易トイレがくくりつけられている。 ●いすゞBU10K 国鉄バス。私は国鉄バス不毛地帯の新潟で育ったため、まったく馴染みがないのだが、長野原線(吾妻線)沿線は国鉄バスは多数走っていたはずだ。その名残だろうか。 (型式は丸田祥三さんのご教示によります。ありがとうございました。)
丸田祥三さんの撮影にお誘いいただいたときに見つけた、群馬県長野原町の町道標識。「町道大屋原4号線」と書かれた簡素なものだ。
同種のものは、長野原町内でいくつも見かけた。 さて、冒頭の写真には廃バスが写っている。 これを丸田さんがtwitterにアップしたところ、CURIOUS編集室が、昭和63年に撮影したこれをアップしてくれた。
5気筒の2ストロークディーゼル。エンジン本体も見てみたいものだ。 |
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