ガソリンスタンド・ノートという美しいサイトがある。管理人の松村さんは、それはもうものすごい数のガソリンスタンドを実見しておられ、数を見たゆえの分類や鑑賞眼がほんとうに鋭く「継続は力なり」という言葉はこの方のためにあるのではないかと思うような、とにかくガソリンスタンドの造形に間違いなく日本でもっとも詳しい方である。
私自身は、柏崎駅でよく見かけた日石のコウモリマークと、通っていた保育園の近くに出光のスタンドがあり(いまもある)、アポロマークを不気味に思っていたことが幼少の頃の記憶として残っているくらいの、一般の人より多少はガソリンスタンドのブランドに興味は持っていたような人間だったが、先日の江東ドボクマッピング新観光講座・ガソリンスタンド編から、特に興味を引かれるようになってしまった。といっても、氏のレクチャーを思い返しながら、ただ惚けるように眺めるだけである。 元日、環七の練馬・板橋区境周辺を歩いていた。このあたりはガソリンスタンドの興亡が激しい。外回り基準で、新桜台から川越街道までの間、記憶の中では ●外回り ・JOMO(けっこう大規模、閉鎖) ・ゼネラル?(閉鎖) ・ENEOS ・ゼネラル(ここ1~2年でできた) ●内回り ・JOMO ・出光(最近閉鎖) …があった気がする。ゼネラルが最も新しく、近辺では軽油が最安値(ガソリンは知らない)。そのゼネラルと、最近閉鎖された出光を写真に撮ってきた。 青空に生える、白と赤。キャノピー(天蓋)が白/赤なので、ESSOかと思ってしまう。以前は、ゼネラルといえば微妙な青に黄色いラインが入っていたと思う。 その斜向かいに、先日まで出光があった。Googleのストリートビューにはもちろん載っている。 大きな地図で見る これが、元日にはこうなっていた。 みごとに、出光カラーが白く塗りつぶされている。サインポールは撤去しただけでなく、防火壁にあった出光のロゴまで消してある。キャノピーの、<<<という形の模様はなぜか残したまま、オレンジ色の部分が白く塗られている。 しかし、計量器はそのまま。そして、その後ろには「出光 小山町SS」と書いてある。 板橋区小山町! 現在の住居表示では消滅してしまった地名だ。1965年に、茂呂町、根ノ上町とともに、現在の小茂根に統合された。そんな地名が、スタンドに残っている。小茂根の小は、小山町の小である。小山町の成立は1932年であるから、このスタンドは1932年から1965年の間にここに誕生したのだ。それが閉鎖された。 入り口にはフェンスが立てられている。取り壊されてマンションにでもなるのだろうか。 なお、私はこのスタンドで給油したことは、おそらく一度もない。それは、単純に価格が安くなかったからということと、そもそも価格表示をしていないことが多かったからである。 PR |
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