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みちさんが発見し、ヨッキさんがレポートしたのを見て、ずっと行こうと思いながら、バイクで近くまで行くと雨雲が迫ってきたりしてなかなか行けなかった落合橋をようやく訪問した。

 
もう6月だ。当然、緑に覆われていた。それでも東側は、その貴重な姿を見せてくれていた。上弦、下弦とも2本の木材が並行している。

 
どなたかが降りた跡がある。ありがたくそこをたどり、危なくない程度のところまで行く。奈良の寺院のような木造の大建築の中に入ると息を呑むが、この落合橋を眺めていると、それと同じ心持ちになる。圧縮方向の斜材(写真では\)は太く、二重になっていて、引張方向の斜材(写真では/)は細い。木材の軸方向は圧縮に強く引張に弱いのでこのような組み方をするわけで、それがハウトラスで、引張のための鋼棒の垂直材をかますのがアラントラス…と解釈していのだけれど、これはダブルワーレン+鋼棒の垂直材だ。(しかし、木造で、基本はハウトラスというこでカテゴリはそうしてある)

いつの架橋かは不明。それが明らかになってほしい。

 
木製ゆえに接ぎの概念がうっとりする。おそらくスパンは30m程度、軸方向でそんな長い木材はないだろうから、上弦や下弦も接ぎで造ってあるものと思う。下弦の接合プレートのようなものも木製だ。格点に横方向(枕木方向)にボルトが入っているが、これは格点で斜材を受ける三角柱は実は下弦にめり込んでいて、下弦にボルト留めされているものと思われる。

 
上弦の上に横方向に材が載り、その上に縦方向(軸方向)に床版を支えていた梁が載る。(縦=軸方向、横=それと直角方向)

 
梁は7本。左右側の3本ずつの「その先」にある梁はオフセットされて配置されるが、センターのものは一直線になっている。

 
梁の上に、縦方向に倒木があって、まるでこれも梁のようだ。倒木更新か、真上に細い木が何本もある。

 
タラの木もある。そして先端がカットされている。山菜採りの人がここに来てカットしていったんだな…。周囲にはタラの木あり。

左には、上弦の2本の材の間から伸びてきた樹木。

 
いったん現道に戻り、東側には北に上る道があるので少し上がると、上流側を見下ろせる。ドローンで撮れないかと思って持参していたのだけれど、この繁茂では断念。冬枯れの時に再訪しよう。

なお、ヨッキさんの『山さ行がねが』でのレポートはこちら。もっと下まで降りている。


* * *

さて、Wikipediaのアラントラスの項目を久しぶりに確認(この項目を英語版から翻訳して大幅加筆したのは私)。アラントラスとして例示されているハンデン橋 (Hampden Bridge) は、なんと2014年、ヨッキさんが記事を公開した3カ月後に取り壊れていた。この落合橋だったらどうかな。木製の橋は、モニュメンタルなものとして観光地で架けられることがあるが、ここはそれなりの山奥。いつか落ちてしまうのだろうな。





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