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鉄道車両の台車の構造はとても興味深い。狭いスペースを立体的に使いつつ、絶対に壊れてはいけない構造物を作り上げている。眺めていて飽きることがない。新たに台車のカテゴリを作った。

●(推定)大井川鐵道モハ310の、日車D-18台車

20120705_000.JPG現在、千頭駅構内に置いてある台車。もはや使う見込みはないだろうに、こうして赤錆びている。見下ろす形でしか撮影できないが、それゆえ、真横からでは見えない部分が手に取るようにわかる。

枕バネは、()という向きに組み合わされた板バネが枕木方向に3列並列2組ある。奥の1組はこちら側に傾いており、手前側の1組は1列のみ残っている。それも()という組み合わせが開放され、(の形となって下に落ちている。

この枕バネ、画像検索するとやはり3列2組なのだが、鉄道模型ではGMとトミーテックから出ているにもかかわらず、板バネが2列2組でモールドされている。なんということだ。
(参考リンク)リトルジャパン 名鉄3800型を組み立て加工する2

この部分以外はほぼ欠品もないように見える。ブレーキのリンクもまだ動きそうだし、それを台車を真上から見ると平行四辺形になっているのもよくわかる。

20120705_001.JPG斜め上から見ると、ブレーキシューを車輪踏面に押しつけるコの字型の部品が見える。

また、写真右端の車輪の左側、小さなコイルバネが4組並んでいるところは、モーターを台車枠に引っかける部分である。これゆえの「釣り掛け式」の名称だ。



イコライザー式台車(釣り合い梁式台車)は、車体の荷重を枕バネを介して台車枠上面に伝え、上面からコイルバネ→イコライザー→車軸端、という方向で荷重が伝わる。こうして上から見ると、イコライザーのコイルバネの位置、イコライザーが軸受けに乗っかっている位置などもわかる。


冒頭に「(推定)大井川鐵道モハ310の、日車D-18台車」と書いたが、元々は名鉄の3800系である。3800系のうち2両1編成が大井川に入り、さらに4両2編成分の「車体」も大井川に入った。後者は大井川にストックのあった下回りと交換したというし、最初の2両のうちの1両はのちにオープンカーとなって、いまも新金谷の側線にある(名鉄ク2805→大井川クハ510→クハ861)。となると、この台車の持ち主は、モ3805→モハ310だろうと推測される。さて、モーターはどこに消えた?





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