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富士川を渡る橋のうち、東海道本線と東名高速の間に位置するのがこの富士川橋。県道396号富士由比線だが、1993年3月末まではここが国道1号だった。この狭い対面通行が国道1号とは、21年前の話とはいえ驚く。

この富士川橋は左岸側(東側)に古いプラットトラスが4連、右岸側(西側)に新しいプラットトラスが2連という構成。まずは古い側から。

  1径間65.4mということで200フィートより少し長い。11パネルのプラットトラスで、曲弦の頂部の高さはざっと9mといったところだろうか。

 
  幅員は7.3m。人が歩くスペースはないが、この橋を夜、クルマで走っていたら、自転車が逆走してきて怖かった。

親柱は、左が「ふじかわばし」(濁る)、右が「昭和六十三年三月竣工」。左にオフセットされてある背の高いものはおそらく古い親柱で、「大正十三年初月竣工」とある。

  各連に銘板がきちんと残っている。

大正十二年
日本橋梁株式会社
製作
大阪

 桁と桁をピンがつないでいる?

  橋門構を内側から。

そして、第4連と第5連の間。このように第5連・6連のところで車線幅が変わっている。
2連だけ新しくした理由を車線増のためとしているサイトもあるが、未詳。老朽化とセットだとは推測する。

  さて、その新しい桁。こちらは古い桁から65年も経ている1988年竣工なのに、いまとなっては珍しい曲弦プラットトラスである。これは見た目を古い桁と揃えるためだろうか(見た目を揃えない橋がどれだけ径間的に酷いかは、東海道本線の富士川橋梁を見ればわかるだろう。もっともそちらはやむを得ぬ事情はあるのだが)。

構成は10パネル。今どき200フィートクラスならプレートガーダーとなるのだろうが、ここでは桁下空間がネックになったか。

  見るからに広いが、部材は細い。橋門構も単純。このあたりが、65年の差なのだと感じる。

  親柱は、左が「ふじかわばし」(濁る)、右が「昭和六十三年三月竣工」。

  トラス桁の銘板。

富士川橋
1988年3月
静岡県
道示(1980)一等橋
使用鋼材 SM53B、SM50YB・YA、SM41A、SS41
製作 日本橋梁株式会社

  桁部分にあった銘板。

富士川橋 富士川
橋長 2@66.42m
スパン割 2@65.4m
幅員 10.4m
橋格 10.4m
完工 1988
型式(上部工) 下路式トラス
  (下部工) 重力式橋台、壁式橋脚
主要資材 SS41、SM50Y
コンクリート 331.9m^3
鋼材 SD30 127.375t
   SS41 等 480.44t
塗装面積 6657.96m^2
下部工寸法 A2=4.24x17.03x10.87m
      P5=5.50x17.50x11.84m
請負(上部工)株式会社横河橋梁製作所 (下部工)住友建設株式会社


新しい桁は古い桁と同じく日本橋梁製だが、架設(横取り)は横河橋梁が請け負ったようだ。



歴史的鋼橋集覧はこちら。
http://library.jsce.or.jp/jscelib/committee/2003/bridge/T8-005.htm





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