引き続き、第七只見川橋梁。上の地図には記載がないが、上流側に「四季彩橋」がある(航空写真に切り替えると見える)。その四季彩橋が、いまの只見側両岸の生命線である。 右岸には残った桁と橋脚があり、川の中には転げ落ちたトラス桁。左岸の断崖には、レールが垂れ下がっている。第1連~第4連は無事で、落ちたのは第5連(支間22.3mのプレートガーダー)、第6連(77.5mの上路ワーレントラス)。 トラス桁から見ていく。 少し右に振る。 さらに右。 再び引く。 右の橋脚の支承を見ると、置くのはすべて引きはがされているが、手前のは下部が残っている。そして、それに草木が絡みついている。 さらに引く。 3脱線防止ガードを含めて4本のレールが敷かれていたが、垂れ下がっているのは3本。なぜだろう。 振り向けば、こう。 【関連記事】平成23年新潟・福島豪雨で被害に遭った橋梁群の記事 (金山町側) 西部橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 国道252号 二本木橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 田沢橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第五只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第六只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第七只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) (只見町側) 只見線 第八只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 小川橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 楢戸橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 万代橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 五礼橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 PR
第六只見川橋梁。テレビのニュースですぐ上流の本名ダムからのものすごい放流が映り、時間の問題のようにも見えていた橋。やはりというか、落ちた。そのときの映像や画像はネットにずいぶん上がってたと思うが、ちょっといま見あたらない。ニュースサイトものきなみ削除されている。
場所はここ。 本名ダムの堤体の上が国道252号で、そこは問題なく通れる。その手前、ダム下流左岸側からはこう見える。 線路の高さに行ってみる。 左に大きく破壊された護岸。その少し上(高台)に民家が数軒。かなりギリギリのところで助かっている…と思いきや、ごっそりとえぐられた部分で家屋が(確か)4件、流されている。その場所では、私が行ったときには重機3台でさまざまな作業を行っていた。 寄ってみる。 トラス桁は、他の只見線のトラスと同じ77.5m。過去に落橋したトラス桁を引き上げて再使用したケースはいくつかあるのだが、ここはどうなるのだろうか。 その向こうには、プレートガーダーが落ちている。 ダムに少し近づくと、第1連~第5連が見えてきた。こんな位置関係だ。 第六只見川橋りょう 設計 新橋工事局 施工 K.K.間組 設計荷重 KS-15 基礎工 基礎根入 天端から22.0M 着手 昭和31年9月16日 しゅん工 昭和31年10月9日 橋脚は3週間ほどでできたということか。ずいぶん仕事が早いなと思う。 このプレートガーダーの上でも、レールが引きはがされている。一部の枕木は場所が変わっている。 本名駅。 たまたま、初老の男性が通りかかった。話しかけようとしたら、先方から「電車はこないよ」と声をかけてくれた。 「電車(何度も「電車」と言った)が来ないと困る。ここらは年寄りばっかりで、クルマの運転ももうしない人もいる。そういう人たちにとって、只見線がないと病院へ行けない。会津若松まで一日がかりになるけれど。クルマがある人はクルマを使うけれど、そうじゃない人には電車しかない。早く復旧してほしい」 【関連記事】平成23年新潟・福島豪雨で被害に遭った橋梁群の記事 (金山町側) 西部橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 国道252号 二本木橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 田沢橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第五只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第六只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第七只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) (只見町側) 只見線 第八只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 小川橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 楢戸橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 万代橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 五礼橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 只見線の橋梁を舞台に撮影された鉄道写真は多い。画像検索すれば、蒸気機関車時代の写真からつい最近のものまで、たくさんの画像がアップされている。その橋が流された。ここより上流の第六、第七只見川橋梁とともに。 歴史的鋼橋集覧によれば、第1連と第5連の鈑桁が25.4m、第2連のワーレントラスが只見線共通の77.5m、第3連と第4連の鈑桁が31.5m。設計活荷重はワーレントラスのみKS15、他はKS-12だ。とはいえ、DD15の入線実績はある(最近では中越地震の際にあった。ほくほく博士参照)。もともとは電源開発の専用鉄道として開業し、その後、国鉄路線として転用されたものだ。 アップしてみる。 ワーレントラス部。 ワーレントラスの向こうに、何か見える…。 ところどころフランジが凹んでいる。流れてきた石に洗われたか。 重さが数十トンはある31mの鈑桁。橋台が水流になぎ倒されたあと、水流に押されてあの位置まで流されたのか。いずれ、この桁も解体されるのだろうが…。 第3連から第5連。 第1連に近づこうとして、築堤に上がった。 2ヶ月でこれだ。廃線跡のようだ。線路は錆び、枕木は乾ききっている。場所によっては線路も枕木も見えないほどの緑に覆われている。いつもは除草しているからか、ここまでになることはない。 橋梁側。 写真に見えている「落ち込んだ場所」は、川の水にえぐられたままであり、いつ崩れるともわからない、。近づかないほうがいい。 足下が崩れる可能性もあるので、これ以上は身体を乗り出せなかったし、周囲を撮り用がなかった。 言えるのは、右岸側は、相当に破壊されているということ。テトラポッドはみなバラバラの方向を向いている。そんな中で、この鈑桁が流失したのだ。 豪雨当日に、第五只見川橋梁がこうなった、という画像をtwitpicかどこかで見かけたが、川の水があそこまで来ているときに、この場所に立った人がいるのか。無謀すぎる気がしてきた。 【関連記事】平成23年新潟・福島豪雨で被害に遭った橋梁群の記事 (金山町側) 西部橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 国道252号 二本木橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 田沢橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第五只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第六只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第七只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) (只見町側) 只見線 第八只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 小川橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 楢戸橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 万代橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 五礼橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 田沢橋は、渡ろうとしたら「なかった」橋である。架け替え工事をしているので、旧橋を撤去してから新橋を架けるべく工事をしているのかな…と思って近づいたら… ここからはこれ以上見えないので、反対側へ廻る。 さらに右。 全貌はこんな感じ。 金山町のサイトに、やはり落ちる直前の画像があるので転載する。 (金山町のサイトより転載) これは右岸・上流側から撮っている。 新橋の橋脚は上流側にあった。これは幸いだったのだろうか。もし下流側にあれば、流失した橋桁は橋脚にぶつかって損傷させたに違いない。 それにしても。 いま、只見川の右岸と左岸は、四季彩橋一本でつながっている。もしこの四季彩橋がなかったら、西部や大塩の集落へは、延々とR352を只見町まで迂回して入らなくてはならない。奇跡の1本が残った。
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(金山町側) 西部橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 国道252号 二本木橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 田沢橋(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第五只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第六只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) 只見線 第七只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で落橋) (只見町側) 只見線 第八只見川橋梁(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 小川橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 楢戸橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 万代橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 五礼橋(平成23年新潟・福島豪雨で被害) 福島県只見町 溢流部(西鹿島寄り)は7連のプレートガーダー、本流部(掛川寄り)は3連のワーレントラス。冒頭の地図を「写真」に切り替えればわかるとおり、現在もその関係は変わっていない。架設時と現在とで、溢流部と本流部が逆転したり、流量が変化してまったく流路が変わることも珍しくないのだが、この天竜川橋梁は架設当時と同じ状況にある。 歴史的鋼橋集覧はこちら。 第1連。 橋脚を見ると、トラス桁部分はπ型、その向こうのプレートガーダー部分は円形だ。 橋脚が華奢に見えるかもしれない。この天竜川橋梁の設計活荷重はKS12。上の写真の第2連のトラスの右側端柱右側に銘板があり、そこにも書かれている(銘板のアップはブレていたので割愛)。 この天竜川の上流側には、カンチレバートラスの鹿島橋が架かっている。私はその鹿島橋も記載したつもりだったが、まだ記事を書いていなかったようだ。後日、書く。 |
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