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引き続き、第七只見川橋梁。上の地図には記載がないが、上流側に「四季彩橋」がある(航空写真に切り替えると見える)。その四季彩橋が、いまの只見側両岸の生命線である。

20111005_000.JPG四季彩橋付近からは、このように見える。川の流れは画像下から上方向。右が右岸、会津川口方面。左が左岸、只見方面。

右岸には残った桁と橋脚があり、川の中には転げ落ちたトラス桁。左岸の断崖には、レールが垂れ下がっている。第1連~第4連は無事で、落ちたのは第5連(支間22.3mのプレートガーダー)、第6連(77.5mの上路ワーレントラス)。

トラス桁から見ていく。
20111005_002.JPG上路トラスだった第6連。線路があった面が左、底が右。ご覧のとおり、向こう側が歪んでいる。こうなると、廃棄だろうか。

20111005_007.JPG拡大すると、左下の、桁のコーナーには支承が見える。一部に枕木が残っているのも見える。下横構は、左からふたつめのパネルでは歪んでいるように見える。

少し右に振る。
20111005_008.JPGレールは残っている。

さらに右。
20111005_009.JPGこのあたりはまだ歪んでいるように見えない。これより右(この場所からは取れない)が歪んでいる。

再び引く。
20111005_005.JPGこうして見ると、トラス桁がねじれているのがわかる。

右の橋脚の支承を見ると、置くのはすべて引きはがされているが、手前のは下部が残っている。そして、それに草木が絡みついている。

さらに引く。
20111005_004.JPG引き抜かれた、橋の上にあったレール。手前側(只見に向かって左)のレールはジョイント部で分断されているが、奥川(同右)は、そこからさらに1本分、レールがつながっている。すなわち、枕木から引き抜かれている。そして末端が、滝(?)に洗われている。よく見ると、継ぎ目板がついている。

20111005_003.JPG残っている第4連。第5連(プレートガーダー)は、第6連に載せかけるように架かっていた(第一利根川橋梁のようにはなっていない)ので、第5連も、第6連とともにもっていかれたのだろう。

3脱線防止ガードを含めて4本のレールが敷かれていたが、垂れ下がっているのは3本。なぜだろう。

20111005_001.JPG残っている桁に、下から近づこうとしたが、藪に遮られて無理だった。

20111005_006.JPG回り込んで、残っているプレートガーダー。歩み板の一部がめくれあがっている。台風の風のせいだろうか、樹木が線路にもたれかかっている。

振り向けば、こう。
20111005_010.JPG夏の期間中、放置していたのだら、当然だ。しかしつらい。

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第六只見川橋梁。テレビのニュースですぐ上流の本名ダムからのものすごい放流が映り、時間の問題のようにも見えていた橋。やはりというか、落ちた。そのときの映像や画像はネットにずいぶん上がってたと思うが、ちょっといま見あたらない。ニュースサイトものきなみ削除されている。

場所はここ。


本名ダムの堤体の上が国道252号で、そこは問題なく通れる。その手前、ダム下流左岸側からはこう見える。
20111002a_002.JPG川の中央に、落ちたトラス桁。右に橋台。左の樹木の向こうには、残っているプレートガーダー。画像の左が左岸、会津川口方面で、右が只見方面。画像下の草が生えている部分は、旧道かもしれない。

線路の高さに行ってみる。
20111002_000.JPGトラス桁が落ちていて、その向こうに隧道の坑口が開いている。

20111002_003.JPG本名ダムとはこの近さ。豪雨の日は、放流する水のしぶきがこの線路の高さまで上がっていた気がする。


20111002_002.JPG上記地図には記されていないのだが、国道252号左岸側から本名ダムに行く道がある。そこから見た光景が上記のもの。

左に大きく破壊された護岸。その少し上(高台)に民家が数軒。かなりギリギリのところで助かっている…と思いきや、ごっそりとえぐられた部分で家屋が(確か)4件、流されている。その場所では、私が行ったときには重機3台でさまざまな作業を行っていた。

20111002_001.JPG流失したトラス桁はこのようになっている。

寄ってみる。

20111002_004.JPG20111002_005.JPG左が「上」。一部に枕木が残っているのが見える。右が「下」になる。

トラス桁は、他の只見線のトラスと同じ77.5m。過去に落橋したトラス桁を引き上げて再使用したケースはいくつかあるのだが、ここはどうなるのだろうか。

その向こうには、プレートガーダーが落ちている。
20111002_009.JPG径間16mの第6連か19.2mの第8連である。流失したのは第6連から第9連で、第5連までは残っている(後述)。

ダムに少し近づくと、第1連~第5連が見えてきた。こんな位置関係だ。

20111002_006.JPGもう少し近づく。

20111002_007.JPG鈑桁の先端(左端)から川に向かって、こんな角度でレールが川に落ちている。桁の下に「/」という角度で落ちているのは通信ケーブル。

20111002_008.JPGレールが落ちていくさま。「飴のように曲がる」という表現が使われるが、そういう表現があてはまる。

20111002_010.JPG見上げて、飴の出所。橋脚には銘板がある。

第六只見川橋りょう
設計 新橋工事局
施工 K.K.間組
設計荷重 KS-15
基礎工
基礎根入 天端から22.0M
着手 昭和31年9月16日
しゅん工 昭和31年10月9日

橋脚は3週間ほどでできたということか。ずいぶん仕事が早いなと思う。

20111002_012.JPG第5連を見上げる。左が会津川口方向、右が流失した桁方向。

このプレートガーダーの上でも、レールが引きはがされている。一部の枕木は場所が変わっている。

20111002-888.jpg対岸に見える、橋脚と隧道。隧道内から、支えてくれるものがなくなったレールが垂れ下がっている。また、橋台付近、護岸のコンクリートの、とくに右側が破壊されているのがわかる。川は右から左に流れている。






























本名駅。
20111002a_001.JPG20111002a_000.JPG上が只見側、下が会津川口側。

たまたま、初老の男性が通りかかった。話しかけようとしたら、先方から「電車はこないよ」と声をかけてくれた。

「電車(何度も「電車」と言った)が来ないと困る。ここらは年寄りばっかりで、クルマの運転ももうしない人もいる。そういう人たちにとって、只見線がないと病院へ行けない。会津若松まで一日がかりになるけれど。クルマがある人はクルマを使うけれど、そうじゃない人には電車しかない。早く復旧してほしい」



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只見線の橋梁を舞台に撮影された鉄道写真は多い。画像検索すれば、蒸気機関車時代の写真からつい最近のものまで、たくさんの画像がアップされている。その橋が流された。ここより上流の第六、第七只見川橋梁とともに。

20111001_000.JPG画面右が会津川口、左が只見。右端、第1連のプレートガーダーが流失している。後述するように、橋台付近にダメージを受けている。写真のとおり、第1連側がカーブのアウト側になっており、先の豪雨のようなときにはここ(とイン側の川底)に力が集中する。

歴史的鋼橋集覧
によれば、第1連と第5連の鈑桁が25.4m、第2連のワーレントラスが只見線共通の77.5m、第3連と第4連の鈑桁が31.5m。設計活荷重はワーレントラスのみKS15、他はKS-12だ。とはいえ、DD15の入線実績はある(最近では中越地震の際にあった。ほくほく博士参照)。もともとは電源開発の専用鉄道として開業し、その後、国鉄路線として転用されたものだ。

アップしてみる。
20111001_001.JPGこのような状態になっている。レールはそのままに、鈑桁だけがもっていかれた。枕木は鈑桁とボルトで固定されているはずだが、それはおそらく簡易な固定だと思うので、こうなったのだろうか(→参考画像)。また、この弛んだ分、前後のレールが引っ張られていると思うのだが、それはどうなのだろう?

ワーレントラス部。
20111001_002.JPG
こちらは異常なさそうだが、橋脚等もすべて点検するのだろうな。

ワーレントラスの向こうに、何か見える…。

20111001_009.JPG流失した鈑桁だ!

ところどころフランジが凹んでいる。流れてきた石に洗われたか。

重さが数十トンはある31mの鈑桁。橋台が水流になぎ倒されたあと、水流に押されてあの位置まで流されたのか。いずれ、この桁も解体されるのだろうが…。

第3連から第5連。
20111001_003.JPGこちらは無事のようだ。第5連は見えていない。


第1連に近づこうとして、築堤に上がった。

20111001_006.JPG(会津川口方向)
2ヶ月でこれだ。廃線跡のようだ。線路は錆び、枕木は乾ききっている。場所によっては線路も枕木も見えないほどの緑に覆われている。いつもは除草しているからか、ここまでになることはない。
橋梁側。

20111001_007.JPG橋梁の手前には鉄杭が打ってあり、ガードロープで立ち入り禁止のような処理がなされていた。

写真に見えている「落ち込んだ場所」は、川の水にえぐられたままであり、いつ崩れるともわからない、。近づかないほうがいい。

20111001_008.JPG横から見るとこんな感じ。右岸(写真手前側)の護岸は軒並み破壊されている。

20111001_011.JPG望遠で見てみる。橋脚の、天端から1mほど下以下が黒くなっている。あそこまで水が来たのだろうか。レールがつながっている様子を見ると、この桁だけが、引っこ抜かれたように流失したのかな…と思えてくる。

20111001_010.JPG橋台。おそらく、もともとあった位置からずれている。その裏に込められていた土というか護岸がなくなっている。支承ももぎとられているが、支承を単純に取っ払ったのではなく、くっついているものをむりやり剥がしたかのように、支承(の下側)がズレてしまっている。

足下が崩れる可能性もあるので、これ以上は身体を乗り出せなかったし、周囲を撮り用がなかった。

言えるのは、右岸側は、相当に破壊されているということ。テトラポッドはみなバラバラの方向を向いている。そんな中で、この鈑桁が流失したのだ。

豪雨当日に、第五只見川橋梁がこうなった、という画像をtwitpicかどこかで見かけたが、川の水があそこまで来ているときに、この場所に立った人がいるのか。無謀すぎる気がしてきた。




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田沢橋は、渡ろうとしたら「なかった」橋である。架け替え工事をしているので、旧橋を撤去してから新橋を架けるべく工事をしているのかな…と思って近づいたら…

20110930_000.JPGこれは右岸から。新しい橋はすこし高い位置にするのか、築堤になっていて、橋桁がまだ渡していない状態。

ここからはこれ以上見えないので、反対側へ廻る。

20110930_001.JPG通行止めの様子。左の青いネットが張られている場所が、新しい桁が架けられる場所。右の橋脚がある部分が、旧橋があった部分。

20110930_004.JPG冒頭の「落ちたプレートガーダー」が反対側から。うーん…。視線を右(下流側)にずらすと…

20110930_003.JPGトラス桁が落ちてた。左岸に貼り付くように落ちている。

20110930_006.JPGそのままさらに視線を川の中程へ。これも落ちたトラスだ。

さらに右。
20110930_005.JPGくちゃっとつぶれたトラス桁。

全貌はこんな感じ。
20110930_002.JPG.

金山町のサイトに、やはり落ちる直前の画像があるので転載する。
20110930-999.JPG



金山町のサイトより転載)
これは右岸・上流側から撮っている。

新橋の橋脚は上流側にあった。これは幸いだったのだろうか。もし下流側にあれば、流失した橋桁は橋脚にぶつかって損傷させたに違いない。

それにしても。

いま、只見川の右岸と左岸は、四季彩橋一本でつながっている。もしこの四季彩橋がなかったら、西部や大塩の集落へは、延々とR352を只見町まで迂回して入らなくてはならない。奇跡の1本が残った。



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20110904_004.JPG天竜浜名湖鉄道が、天竜川を渡る橋梁。上の写真は下流側・左岸から撮影。

溢流部(西鹿島寄り)は7連のプレートガーダー、本流部(掛川寄り)は3連のワーレントラス。冒頭の地図を「写真」に切り替えればわかるとおり、現在もその関係は変わっていない。架設時と現在とで、溢流部と本流部が逆転したり、流量が変化してまったく流路が変わることも珍しくないのだが、この天竜川橋梁は架設当時と同じ状況にある。

歴史的鋼橋集覧はこちら


第1連。
20110904_002.JPG民家すれすれというか、おそらく流路だったところにトラスが架けられ、その下に堤防が築かれ、その内側(堤防では「外」になる)は陸地化されてそこに道路や住宅が…という流れかな、と推測する。それにしても、この「頭上注意」の下の低さはどうだ。民家の近さはどうだ。列車が通ると、とてもうるさいに違いない。

20110904_001.JPG第1連~第3連は同型のトラス桁。写真は第3連。斜材は45度か。径間62.4vmなので、200フィート級だ。

20110904_000.JPG第3連(トラス)と第4連(プレートガーダー)の架け違い部。こういうものを見ると、枕木高さ等の調整がシビアなんだろうなあ…という思いがする。それと、自分の水平感のおかしさが…orz

20110904_006.JPG第1連を裏側から。

橋脚を見ると、トラス桁部分はπ型、その向こうのプレートガーダー部分は円形だ。

20110904_003.JPGこの角度のほうがわかりやすいかもしれない。

橋脚が華奢に見えるかもしれない。この天竜川橋梁の設計活荷重はKS12。上の写真の第2連のトラスの右側端柱右側に銘板があり、そこにも書かれている(銘板のアップはブレていたので割愛)。


この天竜川の上流側には、カンチレバートラスの鹿島橋が架かっている。私はその鹿島橋も記載したつもりだったが、まだ記事を書いていなかったようだ。後日、書く。
20110904_005.JPG




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