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新潟島の日和山浜付近に、道路の敷設とともに海側にテトラポッド製造・置き場ができてからもう20年近くなるだろうか。サイクリング道路から見下ろすたびに、テトラポッドたちは異なる姿を見せる。この日は、地面にテトラポッドの型枠が置かれていたのだが、その様は、まるでラフレシアだ。(※ラフレシアの花びらは5枚)

テトラポッドは、この型枠を4枚貼り合わせ、天方向から中にコンクリートを流し込んで作られる。奥の自立している者は、いま硬化中のものだろう。

奥には別の型枠が鎮座していた。これは三脚Bブロックか。



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「電柱・電線は、何故、埋めたくなるのか」(内田祥士)の続き。

大変興味深いバーチャル空間の存在を教えていただいた。それは、GoogleEarthの世界である。

見慣れた日常。Googleのストリートビューは、もちろん電柱も電線も写っている。ところが。

同じ場所を、GoogleEarthでポリゴン表示させたものだと、こうなる。人もいなければ電柱もない。電線もない。上空は、イメージとして青空になっている。どこまで歩いて行っても、人はいない。

「電線がない世界」はよい景観だと言われることが多いが、こうしてシミュレーションできるとは思いもつかなかった。



内田氏は、もう一つ、おもしろい観察を披露していた。それは、「電柱は建て替えるたびに背が高くなる」というものだ。よんますさんに、水戸芸での展示に「電柱は電信が先、電線はその20年後」というふうに書いてあったとお聞きした。電柱が多目的になれば、背は高くなる。ましてや最近のいろいろな自由化で、電柱を利用する会社は増えているだろうし、配電の電圧も高くなっているかもしれない。

先日、椎名町あたりだったかな、で見つけた3段のテーパー状になった電柱。高くなるとさまざまな改良が進むのかもしれない。






東洋大学朝霞キャンパスのライフデザイン学部10周年を記念して、連続シンポジウムが開かれているとよんますさんからお聞きしたので、そのテーマに興味を持って行ってきた。

5月23日は三つのシンポジウム…といってもトークイベントと言った方がいいと思う、大学としては「研究」「発表」から抜け出せないようだが、私はそういう意識で聴いたので、そういう感想を書く。

ライフデザイン学部開設10周年記念 人間環境デザイン学科連続シンポジウム第2回
「専門と日常 -専門家から見た非専門的な世界-」

http://www.toyo.ac.jp/uploaded/attachment/15704.pdf



さて、シンポジウムのしんがりはこれだ。

演 題:「電柱・電線は、何故、埋めたくなるのか」
副 題:「信頼を保全性の側から支える電線の壮麗なる姿」
講演者:内田祥士(専門分野:建築設計)  東洋大学教授


話は山口晃の『前に下がる 下を仰ぐ』のなかの、電柱のインスタレーションと、そこに添えられていた言葉から始まる。これをベースに「美と壮麗」という面で話は進んでいく。内田氏によれば、「壮麗」とは「何とか持ちこたえている姿」であり、「美的ではないが重要な価値を秘めた存在」と定義する。これが、電柱・電線にあてはまるというのだ。

※山口晃と電柱についてはこちらのブログに水戸芸術館での展示の写真がある。
 散財er`s memo 前に下がる下を仰ぐ



実際に、街中の電柱・電線風景およびディテールを見ながら検討を重ねる。一般に電柱には、トップに6600Vの高圧線・柱上トランス・低圧電線といった配電系統、その下に通信系統の「電線」がある。配電系は「関電工系の作品」、通信系は「NTT系の作品」と内田氏は表現し、導体かつ構造体でもある配電系と、メッセンジャーワイヤーという構造体に巻き付いた導体でしかない通信系の違い、その接続部や屈曲部にも注目していく。そして、美か醜か、と突っ込んでいく。

なぜ繁華街の上空は汚く見えるのか。それは配電系のせいなのか通信系のせいなのか。あるいは(繁華街は道路に沿ってあるので、道路を見通すと)奥行き(基幹系統)のせいなのか左右(支線系統)のせいなのか。これも写真を見ながら繙いていく(※内田氏は幹線、支線という言い方はしていないが、ここではわかりやすく言い換えた)。

商店街があるとする。インフラは道路に沿うので、実は道路に沿った幹線系統は至ってシンプルだ。問題は、そこから各家に引き込む「左右」、つまり道路を横断する電線の支線である。家側の引き込む点の高さは家によって違う。幹線から取り出し口も違う。「左右」は平行にはとうてい見えず、三次元的に斜めに横断する電線ばかりになってしまう。それが、目につく。

そして、幹線系統は大電力・大通信量であるが、スッキリしている。対して支線は一戸一戸に対応しているので小電力・小通信料であるが、醜い。そして、なんとか「壮麗」ならばいいが、「美」から「壮麗」に来たら、その先にあるのは「破綻」である。「破綻」はダメだ。

ここに至り、実は、各戸に引き込む電線は各戸の欲望と同義である、欲望は隠したいものである、醜く感じるものである、だから見えなくしたくなる…というのが、見た目からの、内田氏の考察だ。



では、埋めた方がいいのか。それは否だ。需要のグラフを用いた説明があったのだが、要するにいまは需要のピークを過ぎつつある。今後、人口も消費エネルギーも減っていく。ならば、いま醜いと思っても、いずれ電線の量は減っていく。だから、単に整理し、まとめていくだけでいいのではないか。というのが、電線のある景観も愛する内田氏の話だった。

ほか、趣味者の目としての電線の話も多数あったが、それは聴いてのお楽しみだ。とてもおもしろかった。



このお話を聞いてから、水戸芸術館の山口晃展を見たくなった。でも、先週で終わったんだよね。なお、水戸芸で見てからこの講演…ではなくて、この講演から水戸芸…という流れです、希望するのは。


北越急行にはいくつもの長大トンネルがあり、そのうち赤倉、薬師、儀明の三つのトンネル内に交換用の信号場がある。各停だけでなく「はくたか」もそこで停止し、「はくたか」や各停と行き違い、あるいは追い越される(以下、便宜的に「交換」とする)。その際、自車はトンネル内で停止しているが、交換する列車がトンネルに入ると風圧で車体が歪むのを感じ、自身の身体では耳ツンなどで気圧の変化を感じる。

今回、北越急行の上下列車に乗り、薬師峠信号場での気圧の変化を記録した。場所はここだ。


薬師峠トンネルは六日町起点18km937m04地点から始まり、延長は6199m17。薬師峠信号場はトンネルに入って4869m17の地点、西側出口近くの23km806m21にある。西側までは1330m00だ。

<関連記事>
北越急行十日町トンネルから信濃川橋梁へ
北越急行の地形的妙味(1)十日町


●838M(越後湯沢→直江津)の記録(薬師峠)

4年ほど前に撮った動画がある。12秒後くらいに、対向するはくたかが薬師峠トンネルに入るとHK-100の車体が歪むのがわかる。



気圧高度計を内蔵したハンディGPS(DAKOTA20)で表示された気圧と標高を下記に列記する。気圧はリアルタイムで見ることも外部に取り出すこともできないようなので、標高を見ていただくほうがいいと思う。標高が上がる=気圧が下がる、標高が下がる=気圧が上がる、ということである。計測は2両目後部。なぜか、GPS端末によるログと、スマホの時計で見ていた時刻に2分の差がある。当日、気圧の校正は高崎付近でしかしていないので、表示される標高はあくまでも「気圧を別の形で置き換えたもの」として読んでいただきたい。

乗車したのは2両編成の最後部。当日は遅れが発生していたので、交換待ちが長時間となっている。

14:--:-- 薬師峠トンネルに進入。東側坑口の標高は150m(以下単位省略)のはず。進入後、指示標高値は213から233まであがり、ゆっくりと180まで下がる
14:14:00 薬師峠信号場に停止。以降、14:20:00まで、176~174の間をゆっくり上下する
14:20:10 170 対向の「はくたか」がトンネル進入
14:20:15 64 一気に標高が下がる(気圧が上がる)
14:20:20 -20
14:20:25 -50
14:20:30 -84 もっとも気圧が上がった
14:20:35 -75
14:20:40 -56 「はくたか」が近づくにつれ気圧が下がる
14:20:45 69 「はくたか」と交換。一気に下がる
14:20:50 281 急激な気圧変化で負圧に晒され、耳が痛い 
14:20:58 306 もっとも気圧が下がった
14:20:55 273 「はくたか」が遠ざかるにつれて気圧は上がる
14:21:00 249
14:21:05 259
14:21:10 218
14:21:15 188 
14:21:20 155 828M発車。停車時より気圧が高い
14:21:25 165
14:21:30 230 発車後、一気に車内の気圧が下がる。耳が痛い。
「はくたか」はまだトンネル内にいる。「はくたか」とともにトンネル内の空気を吸い出している形になるのだろう。
14:21:35 261 
14:21:40 251
14:21:45 245
14:21:50 236
14:21:55 246
14:22:00 300
14:22:05 316
14:22:10 330
14:22:15 353
14:22:20 359
14:22:25 366
14:22:30 372 トンネル出口が見えている地点で、もっとも気圧が下がった
14:22:35 353
14:22:40 327
14:22:45 380 薬師峠トンネルから出る
14:22:50 172 ほぼ標高値は正確
14:22:55 166

実測してわかったのは、
・対向列車が入るとトンネル内の空気は圧縮されるので、気圧は上がる
・対向列車とすれ違い、対向列車が遠ざかると気圧は下がる
・自列車が発車すると、さらに気圧は下がる
ということだ。机上で考えればわかることでもあるが、実際に数字で見るのがおもしろい。


●835M(直江津→越後湯沢)の記録(薬師峠)

12:00:00 薬師峠トンネルに西側からゆっくり進入。
12:02:00 223m。薬師峠信号場で停車。気圧表示は1017kPa。
停車中、標高は223→218と少しずつ下がり、上がり、下がった。
12:04:05 182 対向の「はくたか8号」進入。160→200→191と上下する
12:05:35 184
12:05:45 193
12:05:55 193
12:06:20 191
12:07:10 201 徐々に気圧が下がってきた
12:07:12 238
12:07:14 267
12:07:15 275
12:07:20 282 「はくたか8号」が対向で通過 
12:07:25 257 一瞬、気圧が上がる
12:07:30 301 「はくたか8号」が遠ざかるにつれて気圧が下がる
12:07:35 374
12:07:40 390
12:07:45 ? 835M、発車。まだ気圧は戻っていない
12:07:50 399 もっとも気圧が下がった瞬間。約20kPa下がったか(単純計算はできないし私には難しい計算もできない)。トンネル内で2列車がお互いに出口に向かっている状態
12:07:55 395
12:08:00 301
12:08:05 166 気圧が一気に上がる。「はくたか8号」がトンネルから出た?
12:08:15 183 こちらはまだトンネル内。再び気圧低下
12:08:20 216
12:08:25 243
12:08:30 291
12:08:35 323 もっとも気圧が下がった
12:08:40 301 徐々に気圧上昇
12:08:45 250
12:08:50 235 気圧低下に反転
12:08:55 244
12:09:00 285
12:09:05 310 
12:09:10 327 三度、気圧低下
12:09:15 325
12:09:20 302
12:09:25 280 気圧の上下を繰り返す
12:09:30 260
12:09:35 257
12:09:40 260
12:09:45 276
12:09:50 290
12:09:55 291
12:10:00 284
12:10:30 270
12:11:00 223 耳ツンになる
12:11:15 218
12:11:18 193 薬師峠トンネルを東側に出る

…といった経緯を辿った。最後、12:11:00で耳ツンになったのがよくわからないのだが、出口が近くなってトンネル内の気圧の前線のようなものがあるのだろうか。
 
* * *

この三つの信号場で「はくたか」と対向できるのは2015年3月まで。体験するならいまのうちだ。

『鉄道ファン』2015年2月号に、「北越急行『はくたか』の時代」が掲載されている。元国鉄で、北越急行立ち上げ時に移り、のちに社長となった大熊孝夫氏による24ページにも及ぶ記事が掲載されている。北越急行は、首都圏対北陸のバイパス路線として収益をしっかり確保しているため、当初から国などが主導して成功が約束されていたように考えてしまうが、そんな簡単にできたわけではないことがよくわかる。

来たる3月で北越急行はこれまでの役割を終える。それでも、この鉄道の面白さは変わらないし、沿線の風景も大きくは変わらないだろう。これからも毎年、沿線を楽しもうと思う。

ほくほく大島駅付近。この青空、緑、グレーが大好きだ。
中山隧道、水路隧道を堪能したあと、国道291号を東に向かっていたら円筒が目に飛び込んできた。セル式の堰堤だ。

高さは14.5m、遠目に見下ろすのでそれほどでもないだろうが、もし直下に立ったらその塊感かるや相当なものだろう。

周辺は、新潟県中越地震で大きな被害を受け、そこかしこで斜面の崩壊や河道閉塞が生じた。その対策工事はいまもなお続けられているが、この神沢川第1号砂防堰堤もそのひとつ。上流に崩壊土砂が堆積したため、それを受け止めるために作られた。

貯水池の溢流部…とでもいおうか、高いセルの上面よりさらに高い位置なのだが、柵の向こう側に銘板が碑のように立っていた。






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