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小豆島の西側、土庄に「くびれ」がある。ここに運河のようなものがあるが、運河ではなく天然の海峡、「土渕(どふち)海峡」である。「世界一狭い海峡」とギネス認定されている。

現在の土庄町は、小豆島の北半分を占めるが、「土庄」は、もともとは土渕海峡の西側の行政地名だ。海峡の東は「淵崎村(ふちざきそん)」だった。1955年にほかの町村とともに合併し、土庄町となった。

「土渕海峡」とは、庄と崎の合成語である。かつてはそのような呼び名はなく、「世界一狭い海峡」としてギネス登録する際に作られた。

 
海峡といっても船が航行するわけではなさそうだ。町役場の前に、海峡を塞ぐような形のカマボコ状の装飾(?)がある。その両端と中央は橋だ。


上空から見ると、日の字型になる。

 
東側から見た写真。海峡の上に歩道がはみ出している。歩道部分はキャンチかと思いきや、実はアーチから吊られている。この写真を撮っているこの橋も吊られていて、つまりはアーチ橋である。「ものすごく幅広の、床版が一部にしかないアーチ橋」ということだ。

 
ちゃんと床版に銘板がついている。

平成5年12月
香川県
上載荷重 1.0TON/M^2
材質 アーチ STK400
   吊桁 SS400
製作 三井造船株式会社

「アーチ」と「吊桁」として銘板がある。

 
西側から。見えている道路は道路橋で、こちらはガーダー橋。その向こうに並行して歩道橋があり、そちらはアーチ橋。

 
道路橋の名前は「ふれとぴあ橋」という。「ふれあい」+「ユートピア」かな。



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近鉄の旧東青山駅に向かうために国道を曲がると、左手の川に橋がかかっている。その橋脚が古レール製であることを@japan_bridgeさんのツイートで知ったので、行ってみた(当該ツイートは削除されている)。

 
 
あいにくの光線。影が暗い。橋脚下部を見るに、下流側が最初にあり、上流側は後から付け足して道幅を拡幅したようだ。


 
右が上流側。横材は2本ともアングル材を使っている。右端の柱は古レールに見える。

 
右が上流側。赤くマルをした部分、アングル材の取付を見て欲しい。ほか、突き合わせて溶接していたりと、手が込んだ作り方をしている。

 
 
この橋の先にあるはずの東青山駅。この2点は2017年11月に、秘境駅の取材で牛山隆信さんと訪ねたときのもの。



 
国道157号を、福井から岐阜へ。最奥の字名である温見の手前、熊河(くまのこ)。熊河トンネルの手前谷側(左側)に、作業道のような道があった。カルバートを10個並べてある。こうした仮設の道は、砂防ダムの下などで見かける気がする。川は、温見川の支流である熊河川。

 
もう少し上のヘアピンカーブは、熊河集落があったところ。熊河集落については、浅原昭生さんの『記憶に残る廃村旅』に詳しい。

 
細い、一直線の道の先は温見峠だ。標識が空に浮かび、その向こうの空間にも雲。

 
温見峠。(バイクは福井向き)




歩鉄の達人さんのツイートとサイトで「波状まんぽ」というものを知った。九度山の近くである。国道370号(地図上のピンク色)から見て、南海高野線をくぐったすぐのところにある。


上の地図と方角が違うが、下が国道側。農作業用の道が通っていて、それぞれ築堤を斜めに横断している。南海高野線をくぐる大師第16号橋梁もそうなのだが、ねじりまんぽにはなっておらず、単純なアーチだ。

 
 
川の上に張り出すかたちで道がついている。それもコンクリが新しい。そして道路側には鹿除けと思われるフェンスがある。写真を撮っていると、この奥の畑の管理をしている方が来たのでご挨拶。


 
4枚巻きのイギリス積みだが、築堤に対して斜めになっている分、少しずつズラして積んでいて、それが坑門に角度となって現れている。

 
東側から。ご覧の通りコンクリートなのだけれど、2020年10月27日の日付があるKDDIの記事『秘境駅にもauの電波は届く?乗り鉄アイドル伊藤桃が「南海高野線」を調べてきた』では、未舗装で、しかも農業用モノレールがあったようだ。

さて、この奥が本題の、旧九度山発電所水路橋である。
 
大師第16号橋梁を抜けて東を見たところ。

 
内部はこうだ。冒頭の図のように、道路方向に短いアーチが、水路方向に少しずつズレて組まれることにより、斜角に対応している。現在、国内唯一の例のようだ(『組積造による斜めアーチ構造物の分布とその技法に関する研究』小野田滋・河村清春・須貝清行・神野嘉希)。日本語では「有肋斜歪穹窿」というのだそうだが、「ゆうろくしゃわいきゅうりゅう」とでも読むのだろうか。

 

 
 
ズレは、煉瓦一つにつき30mm程度だろうか。アーチは31列あるので、両端で1mくらいオフセットできている。

 
東側から。水路橋の意匠も凝っている。この水路橋はすでに使われていない。ドローンを飛ばして上から撮るべきだったか…。

それにしても、重要な車道とかならともかく、農作業用の道である。それなら道を直交させたほうが一般的なアーチにできて簡単じゃないかと思うのだが、煉瓦をこう積むことは別に難しいことでもなんでもなかったのだろうか。また、農作業用の道だけれど、こうして坑門…ではなくて橋梁だから何といえばいいのだろうか、を装飾しているのもすごい。

『組積造による斜めアーチ構造物の分布とその技法に関する研究』によれば、有肋斜歪穹窿は、ここと、新永間高架橋の日陰町拱渠しかないらしい。日陰町拱渠は現在、見えなくなっているため、埋められているか、改修等でまったく変わっているのかもしれない。

* * *

 
 
おそらく大師第14号橋梁の下流と思われるところを、ドローンで撮影。歩鉄の達人さんのサイトでは「先は開渠」となっているが、それが、これだと思われる。川に出る前に壁が築かれていて、もしかしたら使われていないのかもしれない。

現地は枯れ木の枝が密集し、ドローン本体との遠近感を掴みづらい。ドローンを絶対に枝に接触させられないので、かなり難しかった。
 
近鉄吉野線に沿ってクルマを走らせていたら、山型の跨線橋が見えて驚いた。アーチではなく、直線状に/\となっている。

 
反対側。ここに橋を架ける場合、鉄道の架線を除けるために、少し上部にオフセットする必要がある。普通であればアーチになると思うのだが、歩道橋という荷重が小さい橋なので、このような特殊な形で仕上げたのだろうか。

 
 
 
渡ってみると、中央部は凸にはならずに少しだけ水平区間がある。ご覧のとおり、徒歩と自転車のみ通行可能。

 

対岸(南側)からの眺め。

 
銘板があった。

太鼓橋
2000年2月
大淀町
道示(1996)群集荷重
使用鋼材:SMA400BP・AP、SPA-H、SS-400
製作:松尾橋梁株式会社











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