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『鉄道を科学する 日々の運行を静かに支える技術』
『鉄道をつくる人たち』の川辺さんが道路の取材をされていることはうかがっていたが、ようやく刊行された。それが本書だ。

ブルーバックスらしく、そしてイラストレーターでもある川辺さんらしく図版が多用された本書は、首都高のルートが地中にもぐり、駆け上がり、天空を走り、上下に分かれ、別のルートと複雑に接続し…という線形の妙や高架橋の立体的な構造がとてもわかりやすく描かれている。


私などは、ついこういうのは鳥瞰図で考えてしまうのだが、これはイラストならではの見やすさだ。

本書の目次はブルーバックスのサイトにあるが、

第1章 首都高速の原点=都心環状線
第2章 首都高速ネットワーク
第3章 建設技術の発展=羽田・横羽線と湾岸線
第4章 交通管制システム
第5章 新しい首都高速=中央環状線
第6章 山手トンネルの技術
第7章 ジャンクションと立体構造
第8章 首都高速の維持管理と未来

という仕立てで、首都高速道路の建設史の間に首都高にまつわる関連事項が挿入されている。建設史は、そのルートの建設に当たって編み出された考え方、工法などが丁寧に図版とともに解説されている。相当な取材量だったようで、さらりと、でもしっかりと書いてある。

個人的には、いま東京メトロ…というか営団地下鉄の建設史を追っかけているので、それと同じようなことが書かれていることに興味を覚えた。例えば151ページ、中央環状線が都営三田線の上を通っているところはラケット型橋脚の上と中を首都高が走っているが、その足下は地中で二手に分かれ、真下にある三田線の構造物に負荷をかけないようになっているということや、並行する2本のシールドトンネルをくっつけてしまう開削切開き工法のことなどだ。このあたり、営団の各路線の建設概要と比べてみると、時代性がわかって面白いかもしれない。


新書なので紙数に限りがあるし脱線しすぎてもいけないのは重々承知だが、「アーチ橋」「シールド工法」「ディビダーク工法」などの言葉が、他の形式・工法と比べてどうなのか、それぞれの長短はどれなのか、ということがわかればなおよかったと思う。「なぜ首都高でそれが採用されたのか」(は書いてある)だけでなく、土木全般の基本がわかるからだ。いや、これは求めすぎか。

首都高や高速道路に関する本はいくつか出ているが、ムックよりも、むしろ本書のほうがわかりやすいかもしれない。一般道路にも応用できる知識も多数散りばめてあるので、道路ファンはぜひ読んで欲しい。



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