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野付半島の付け根、茶志骨から南の国道244号は、行き交う車もほとんどない。尾岱沼の集落が少し目立つだけで、あとはひたすら左に海を見ながらゆるやかなアップダウンを行く。

尾岱沼から約15km。本別海という集落に入ると、少しホッとする。時間にしたら15分、いや実際は…なのだけれど、その前から延々と無人の台地を走り続けているわけで、そうしたあとで郵便局のような「集落の証」があると、かなり大きな町に感じる。

郵政書体が残る。「郵」の文字、偏の中央が「田」になっているのは勇足郵便局と同じだ。

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津別から美幌に向かう途中の明るい道にある上美幌郵便局。入口が右側にあるのに、局名は左側に掲示されている。正面右4分の3は下見板張りになっていて、これは後年の改装だろうか。

麗しき郵政書体が健在だ。

建物側面は連続窓風になっている。屋根の上には煙突がひとつ。

北海道のちほく高原鉄道に勇足(ゆうたり)という駅があった。いまは駅もないが、その駅前通にあるのがこの勇足郵便局だ。

正面中央、三枚の扉がある…ように見えるが、これはフェイクである。いわば、はめ殺した扉。蝶番もドアノブも見当たらない。

惜しいのは、真正面に電柱があることだ。意匠を凝らした建物ならばこうした電柱の立て方には断固抗議すべしと思うが、この局舎を「意匠を凝らした」などと評価するのはごく一部のみか。

美しい郵政書体を保っている。「勇」の下部、「力」がやや寸詰まりなのは欠けているからだ。また「郵」の「垂」、横棒が5本あり、通常は中央3本は左右の縦棒よりも飛び出しているのだが、ここではそぎ落とされ、「ノ+田+一」になっている。これはなぜだろう?

やはり、側面は規格窓の、本当に適当な羅列。こういうのを見ると、クモハ123-1の窓を思い出してしまう。

(参考画像)
(Kei365 cc3.0 by-sa)






若桜に近い八頭郵便局。屋根が寄棟なのはちょっと珍しいかもしれない。また、窓サッシが連続しているうえに格子がついているので、まるで連続窓のように見える。ポストが歩道の軸方向を向いているのもおもしろい。

素晴らしい。郵政書体が残っていた。

シチサンは無理だった。
* * *

八東発電所は「八東」だが、この郵便局は「八頭」。どちらも「ハットウ」と読める。八東(はっとう)・八頭(やず)の地名が覚えられないが、どうも沿革からしてこんななので、覚えられなくても仕方なかろう。

●郡名
~1896.3.28 八東郡
1896.3.29~ 八頭郡 

●町村名
~1956.3.14 八東村
1956.3.15~ 八頭村
1959.5.15~ 八東町
2005.3.31~ 八頭町


@0916taiさんが昔の写真、としてアップしておられたのが、この垪和郵便局だった。とても美しい建物、現存するかわからないけれど、とにかく行ってみたら、あった。美しいままに。いまも使われているのがわかる。


「垪和(はが)」という地域についてはwikipediaに詳細がある。




郵政書体を真似て、手づくりで木で文字を作ったのだろうか。経年で脱落している部分もあるが、そこもあわせて紺色になっている。その手作業感がとてもいい。また、この角度では、玄関天井の通風用の開口部も、いかにも公共建築らしい。

両袖の部屋は使っていないようだが、かつてはここを住居とした人がいたのだろうか。とても美しいままに、そこにあった。朝日が差し込んでいた。

正面に向かって左手は「火気厳禁」とあるので燃料でも置いてあったのだろうか。いまなら差し詰めゴミ置き場のように見えてしまうが…。

左右からのシチサン的に。

集落に一つ、郵便局があった時代。それはもうノスタルジーの世界だ。





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