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20111121-1.jpgnagajisさんの『旧道倶楽部』で見て衝撃を受けた隧道。2008年までの詳細はすべてそちらで。

上の写真は2008年8月に撮影したものだ。現在の、長さ1966mの「新長野トンネル」が開業してすぐのもので、旧道も現役だった。この隧道は旧旧道にあたり、旧道の東側の坑門に向かって「右上」にある。

注目していただきたいのは、ピラスター(坑門両脇の柱)の下部、ちょっと装飾してある部分の「高さ」だ。

20111121-2.jpgこちらは2年強を経た、2010年10月の撮影。装飾の「高さ」を見比べればわかるとおり、右の装飾はほぼ埋まっている。全体的に土砂が多く流入している。

2008年の段階では、坑口に立っても要石に手が届かなかったが、2010年の段階では届いた。2008年に「でかい」と感じた坑口は、2010年には「小さい」と感じるようになった。

こうなった原因は、2008年秋頃にあった地震ではないかと推測している(たしかnagajisさん)記事があったが、真相は不明だ。


そして現在、2008年に訪ねたときは通行できた「旧道」は完全に閉鎖されている。後日、アップする。
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『廃道ナイト4!』のラスト、クイズに出たニンニク隧道の写真があるのでアップする。

これは、有峰林道小見線のある隧道で、全線にわたって改良が進められている有峰林道の隧道群のうち、比較的最後まで残っているグループだ。現在は新道が開通しており、この坑門がどうなったのかはわからない。

有峰林道小見線は、地形図を見ればわかるとおり、とても興味深い道である。ニンニク隧道を含めて『日本の廃道』43号(2009年11月号)にレポートしたので、ぜひご覧いただきたい。→購入(私にお金が入るわけではありません^^)


20110816-2.JPG20110816-3.JPGまだ現役だった頃のニンニク隧道。脇に見えるのは旧道か。

私が訪れたのは2009年7月。幅員の狭さゆえに片側交互通行であるこの狭小の隧道区間を改善すべく、新隧道の工事中だった。別に旧道に入ることにためらいを感じるような状況でもないのだが、監視員がいるために控えておいた。その秋、この近くで大規模な崩壊が起き、翌2010年は通行止めが続いていたような気がする(←まったくのうろおぼえ)。

新隧道はこんな状態だった。
20110816-1.JPG坑口を空けるスペースを確保するために、現道を桟橋で逃がしている。訪問日は3連休だったが、こうして工事をしていた。

新隧道の開通は、今年(2011年)の6月1日。富山県のサイトに開通式についてのPDFが残っている。


ついでに、ニンニク雪害ガード。
20110816-4.JPGいまはどうなっているのか、とても気になるところだ。


20110304-01.JPG京都府京都市西京区と亀岡市の間にある峠が老の坂峠だ。そこを国道9号と、京都縦貫道が通っている。ここに、仲良くふたつの隧道が並んでおり、片方(上の写真の右。上の写真は京都市側坑口)は車道としての用途を終えて歩行者用となっている。が、いきさつがおもしろい。

まずは隧道を見て行く。

20110304-02.JPG歩道用隧道の坑門。労作・隧道データベースによれば、1933年(昭和8年)竣工、幅員4.7m。坑門はコンクリート製で、ピラスター様のもの(装飾かもしれない)が重量感を持って坑門を押さえている。

20110304-03.JPG「松風洞」という扁額様のものが置いてある。冒頭写真でいえば、「歩行者」標識の向こうにある。

なぜここに扁額様のものがあるのか? 現・車道の隧道にも、この歩行者用隧道にも、それぞれ扁額はある。歩行者用の隧道は、草に覆われていて撮影不能。

20110304-04.JPG扁額様の裏。きちんとここに存置してあるのが見て取れる。

20110304-05.JPG中に入る。蛍光灯がついている。元々車道だったということもあり、広々とした歩道だ。覆工はコンクリート。

20110304-06.JPG亀岡方坑口。ふたつの坑門が並ぶ。向かって左側が歩行者用、右が車道。

先に、この歩行者用が1933年竣工と書いたが、隧道データベースによれば、車道用は1965年(昭和40年)竣工とある。が…。

20110304-08.JPG歩行者用の坑門。意匠は京都市側と同じ。「老の坂隧道」という扁額があるのがわかろう。

20110304-07.JPG上写真から180度振り返る(隧道から出てまっすぐ見据えた状態)と、このようにゲートがある。冒頭のYahoo!地図ではこれでもかというくらいにゲートが地図にプロットされている。

20110304-09.JPGさて、こちら側にも扁額様のものがある。

「遠邇之利往来之便」

yoshim氏のサイトに京都国道事務所からの回答として意味が掲載されている。そのまま転載すれば、 「(この道ができたことにより)遠いところにも近いところにも利益をもたらし、往来の便がよくなった。」という意である。

しかも、この文字は北垣国道の書だという。北垣は、滋賀県の琵琶湖疎水を作り、北海道の狩勝峠を選定した田辺朔郎の岳父だ。ん? 北垣は1916年(大正5年)没…? このあたりは後述する。

そして、yoshim氏のサイトにより、先の歩行者用隧道は「和風洞」と言われていたことも判明した。

20110304-10.JPG北垣書の扁額の裏。


さて、いろいろなからくりである。答えを先に書くと、

1)1884(明治17年)頃 現・車道の隧道が開通。「松風洞」とした。
2)1933年、現・歩行者用の隧道が開通。当時は車道。こちらを「和風洞」とした。
3)1965年 「松風道」を拡幅し、車道とした。
4)****年 元「和風洞」を歩行者専用道とした。

地図を見れば速い。すべて2万5000分の1『京都西南部』、時系列地形図閲覧ソフト「今昔マップ」( (C)谷 謙二) により作成。
20110304map-01.jpg1922年(大正11年)測図、1925年(大正14年)11月30日発行

初めて発行された地図。ひとつだけ隧道が見えている。これが「松風洞」。隧道の北東に「新峠」、南東に「(旧)峠)の記載がある。

20110304map-02.jpg1964年(昭和39年)修正、昭和40年4月30日発行

まだ「和風洞」開通前。

20110304map-03.jpg昭和45年修正、昭和47年4月30日発行

ついに隧道が2本描かれる。おそらく、この図では松風洞の拡幅は反映されているだろう。

20110304map-04.jpg1979年(昭和54年)二改、昭和56年2月28日発行

2本の老ノ坂隧道のうち、古い隧道が役割を終えつつある。

20110304map-05.jpg1986年(昭和61年)修正、1987年(昭和62年)4月30日発行

和風洞が消えた。これが現在の書かれ方に近い。


以上、少し不思議な発達史を持つ隧道と扁額について。実は写真はすべて行きがけの駄賃である。撮ったときはこれが北垣国道につながるとは思いもしなかった。面白いものだ。

PC242739_R.JPG日本の廃道』による特製カレンダーが届いた。タイトルは『隧』。美しい隧道の写真を使ったカレンダーだ(説明になってない)。上の写真は、同じくORJ特製佐和山隧道マグカップと撮った、というだけ。それ以上の意味はない。

上のような隧道写真+縦長カレンダーの裏面は、このようになっている。
PC242742_R.JPG細かく書き込まれているのは、隧道の竣工年月日や着工年月日。これ、打ち込む手間を考えるだに恐ろしい。
本日、12月24日を見たら、なにも書いてなかったが、12月30日には「大崎隧道着工」とある。こんな日に着工したのか…。

このカレンダーは1000円で、私は廃道ファンである自宅のお隣さんの分とあわせてふたつ購入。もう、特設の販売サイトはなくなっているので、これから入手できるかどうかは不明だが、ご希望ならばORJ編集部に問い合わせてみてはいかがだろうか。

なお、これに記入するのはとてももったいないので、ニヤニヤしながら見るだけにしようかと思う。でもわからんよ。ボロボロになるまで活用するかも。カレンダーってそういうものだしね。

PC242739_R.JPG日本の廃道』による特製カレンダーが届いた。タイトルは『隧』。美しい隧道の写真を使ったカレンダーだ(説明になってない)。上の写真は、同じくORJ特製佐和山隧道マグカップと撮った、というだけ。それ以上の意味はない。

上のような隧道写真+縦長カレンダーの裏面は、このようになっている。
PC242742_R.JPG細かく書き込まれているのは、隧道の竣工年月日や着工年月日。これ、打ち込む手間を考えるだに恐ろしい。
本日、12月24日を見たら、なにも書いてなかったが、12月30日には「大崎隧道着工」とある。こんな日に着工したのか…。

このカレンダーは1000円で、私は廃道ファンである自宅のお隣さんの分とあわせてふたつ購入。もう、特設の販売サイトはなくなっているので、これから入手できるかどうかは不明だが、ご希望ならばORJ編集部に問い合わせてみてはいかがだろうか。

なお、これに記入するのはとてももったいないので、ニヤニヤしながら見るだけにしようかと思う。でもわからんよ。ボロボロになるまで活用するかも。カレンダーってそういうものだしね。



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