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丸田祥三さんの取材にくっついて、奥多摩某所に行ってきた。かねてから行きたかった場所があり、風邪やら天気やら地面の状態やらで何度も延期になっていた。先日、ようやく行けたのだが、1時間半ほど歩いたところで道の状態が悪くて撤退。今日改めて別ルートで行ったところ、徒歩1時間ほどで目的地についた。その前後にもいくつか撮影したので、時系列で書く。



青梅方面から国道411号を西に向かう。国道411号沿いには「黒川通り」という廃道がある。ヨッキれん氏が『日本の廃道』に詳細をレポートしているし、『廃道本』でも掲載、また現地を訪ねるツアーも開催された。上記地図の地点に至るまでにもいくつか旧道はちらほらしていたが、「道の駅たばやま」の前、JOMOの東側に「できたての廃道」があった。

20101128-01.JPG左が旧道、右が新道。右の橋は「丹波山温泉大橋」といい、2009年9月の竣工。供用開始は不明だが、2010年6月27日に開通記念イベントがあったので、今年に入ってからなのかもしれない。名称は、道の駅に接続する温泉にちなむ。

新道を歩いている黒い犬は、どうやら飼い犬のようで首輪をしていた。この犬が、我々のほうに寄ってきて、ハァハァクンクンする。大型犬なので、ちょっとこわいよ…。犬を放し飼いにしないでよ…(うちには犬がいるし、リード付きの犬ならかわいがったりもするので、犬を嫌いだというわけではない)。

この旧道、上記写真のとおり、山肌に沿ったカーブを、ひとつの大きな橋で短絡したもの。新道のほうが法面が低く、旧道と高さの差が大きい。隣接するJOMOの出入り口も、かなり無理な勾配になっている。そして、旧道は、新道に欠き取られた形になっている。欠き取られた部分は舗装がはがされて砂利になっている。砂利は非常に強く突き固められている。

20101128-03.JPG一部残されているのは、ここに下水管が埋まっていることと、電柱があるからではないかと思う。この砂利部分にマンホールが三つある。下水管ごと新道に移設するのはやめた、ということではないだろうか。

写真の電柱の右で石垣のパターンが異なっている。向こう側は切石の谷積み…というには目地が通り過ぎている積み方で、手前(電柱の左)は石を積んで目地を固めた練り積み。

20101128-02.JPG旧道を歩く。風が吹くたび、落ち葉が地面を走っていく。それを流し撮りしたかったのだが、無理!画面奥が丸田さん。


場面を変えて、余慶橋。うわ、「よけい」で一発変換したよ。意味があるらしい(Yahoo!辞書)。知らなかったよ。ここも、旧道を新道が橋で短絡していた。旧橋で撮影。

20101128-05.JPG見ての通り、旧道は瓦礫で埋め立てられている。撮影していると、カメラをもった男性が近づいてきて「紅葉、終わってますね」。僕たちは「そうですね」などと返事をしたが、紅葉を撮っているわけではないので、つれない返事に聞こえたかもしれない。新橋は1992年6月竣工。


以降も気になる旧道がたくさんあったが、とりあえず通過。メインディッシュに急ぐ。

国道を反れ、とある集落に入る。無人らしく、そこそこ新しく見える家にも人影はない。生活感のある家はあるため、特定の期日だけここに通ってくる人がいるのかもしれない。そんな集落を通り過ぎ、砂利道をたどってクルマの終点到着。12時15分。準備の後出発。

20101128-06.JPGおそらく車道として使われていた道を歩く。しかし、3~4ヶ所、このような木橋がある。ここが車道だったころ、どんな橋がかかっていたのだろうか? 当然、木橋だとは思うのだが。

最初は車道の幅があったが、沢を遡る形で歩いて行くと徐々に狭くなる。それでも沢側には低い石垣があったりして、車道を感じさせる。しかし、やがてGPSは地形図の破線とは別の地点を指し出す。地形図が誤っているのか、現在の通行路が地形図と異なるだけなのか。

20101128-07.JPGずっと青空だったのだが、目的地が近づくにつれ、ちょっとかげり始める。山を埋め尽くす樹木には杉以外は葉がほとんどなく、そのすべては僕等の足下にふかふかに積もっている。

20101128-99.jpg目的地到着。
よく見えないと思いますが、すみません、諸事情により見せてません、御容赦ください。

とあるスジには有名な場所で、地名で検索すると画像もたくさんでてくるのだが、あまりにもすてきなので、丸田さんとヨッキれんさんの共著の写真集(タイトル未定)をご覧いただきたい。なかなか感動的な出会いだった。




これを撮影していたときのGPSログ。
20101128-12.jpg場所を推定したい方はgsiの2.5万図と見比べてくださいませ。

この地点で1時間以上撮影した。

行きが1時間なら帰りはその半分かと思うと気も楽で、ふたりで雑談しながら下る。たまに撮影。

20101128-08.JPGこれは、歩いたルートから見えた木橋。ここはオンルートではない。木橋の橋台として石垣が残っていたので撮影した。


この山に入って3時間半。日も蔭ってきたので、もう一つのメインに向かったのだが、場所を特定できず。そのかわり、またたくさんの「新しい廃道」を見た。

20101128-09.JPG柳沢峠から南に下った地点が、長い範囲で付け替えられていた。これは塩山方向を見ている。右端、ガードレールの向こうが新道。手前の、センターラインが色の道が旧道(暫定的に使用された形跡あり)。左側が旧々道。でももうかなり暗かったので、撤収した。

20101128-10.JPGそこにはこんな標識が転がっていた。なんだか無念。



国道411号は、近年の改良がすごい気がした。バイクで走っても、走ることばかりに気を取られるためにちゃんと見ていなかったが、再訪したいと思う。似たような換線ばっかりかもしれないけれど、意外な発見があるかもしれない。

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