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20111220_000.JPGオールカラー、416ページ、2625円。サイズは菊判に近い。

はっきり言って、安い。地方版元の刊行物は、往々にして安い。その理由はいくつかあるのだが、憶測で書くのもなんなので控える。

この写真集は、「買い」だ。刊行する意義がある本である。そして、あらゆる点で、私の編集コンセプトと大きく異なっているので、いろいろと考えるきっかけになった。



ここには、昭和60年前後の鉄道ファンの関心とその姿が色濃く掲載されている。

同じようなカットが続く。私の考える編集作業では、当然どれか1点に絞るべきところを、まったく絞っていない。なにしろ400ページ以上に1200カットだ。ホームで撮った列車の写真、写っているのは同じ形式、とくれば、自然と同じようなカットになる。それでも、その日その場所で記録されたものが発表されることには大変な意義があると考える。いや、これこそが編集方針なのだろう。私が作る場合とはコンセプトが異なるというだけのことだ。

この本は、写真集というにはあまりに製版と色が悪い。しかし、そこに掲載されている写真は、印刷とか色とかを吹き飛ばす、非常に貴重な記録である。いや、 欲を言えば、それらも完璧なものがあったらそのほうがいいのだが、この印刷や色は著者が満足しているのだろうから「好み」の問題と言うことにしておく。

いままで実際の商業印刷で試した結果から言うと、コンデジのデジタルズームを使用した画像やひと世代前の携帯電話のカメラで撮影したフルサイズの画像を使うとこんな品質になる。あるいは、2000年頃にネガプリントを家庭用のフラットベッドスキャナでスキャンし、自分でCMYKに変換して印刷原稿にして入稿すると、こんな色になった。2000年代前半の製版技術では、35mm判ポジをA4見開きにしてまったく問題ないくらいにはなっていたので、いまなぜこんな、という思いは大きい。著者の原版はもっときちんとしていて、製版・印刷に問題があったのか。著者は他の全国媒体でも仕事をしているのだから、この印刷が、その水準には達しないことは承知の上だと思うのだが…。

掲載内容は、サブタイトルの通り、北海道の廃止されたローカル線のスナップ集である。「車両をかっこよく撮った写真」ではない。たくさんの駅の、駅舎、ホーム、駅で働く人、鉄道で働く人の姿が収められている。たまに、鉄道ファンの姿も収められている。

雪景色も多い。私の郷里・新潟のかつての風景にも重なる。木造の建造物と気動車、雪景色。また、草いきれがにおってくるような夏景色。それらも、あくまでスナップだ。

本書に掲載されたようなものが、紙媒体として刊行されたことを嬉しく思う。掲載されている内容も、いつまでも、何度でも眺めていたくなるものだ。この本は、買いだ。

















 
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