仕事で、ノースライナーみくに号やらなにやら調べていて、結局私が取材に行くことはできなくなたのだが、そんなことをツイートしていたら何人かの方が反応してくださったり、ブログにアップしていただいたりしたので、ここでは十勝三股の地形について述べたい。
(DAN杉本氏のカシミール3Dで作成。高さは2倍に強調) 十勝三股は、北海道の帯広市から北北西に約67kmいったところにある、扇状に広がった地域である。その南に周囲は石狩山地に囲まれ、それらの南面から流れ出た水が十勝三股を潤し、音更川となって糠平湖を形成する。音更川は十勝川の支流である。 音更川を遡る形で説明すると、十勝「三股」というとおり、音更川はこの扇状地に入ると三俣地区で三つに別れる。本流は西へ向かい、ニペソツ山の北側の峰まで遡る。北へ向かうのは中の川。東へ向かうのは十四の沢。これらをして「三股」といったのかどうかはわからないが、おそらくそうだろうと思う。 この三股の周囲はぐるりと山に囲まれている。そして、峰に向かってどの方向へも緩い傾斜をもって向かっている。その不思議な地形は、平面の地形図ではなかなか実感できない。このような鳥瞰図をもってして初めて理解できる。 よくぞこんなところまで鉄道を敷いたものだと思う。もともと、北海道の鉄道は開拓の最前線という側面があるので、現代の観点で簡単に判断してはならないのだが、それにしても、と思う。糠平まであったことでさえ驚きなのに、さらに十勝三股まで。もうすぐ三国峠、その向こうは層雲峡、そして上川だ。 十勝三股の扇状地を拡大して真俯瞰するとこんな感じだ。 (DAN杉本氏のカシミール3Dで作成) これだけ広大な土地に生活していた人たちの心はいかばかりか。学校や神社まであったらしい。 十勝三股の北西に、石狩岳がある。20年ほど前、この山に登ろうと思っていろいろと情報を集めていたことがある。「シュナイダー尾根」というコースの名称に惹かれたのだ。なぜこんな奥地にドイツ名(だと思う)が!? しかし、アプローチがどうにも難儀な気がして、断念した。そして他の山に向かった。トムラウシ(テント泊2泊3日)、利尻岳、大雪山(こちらはお手軽に)に行った。いまならレンタカーを借りて…なんて思うが、当時はそんなことは思わなかった。石狩岳は幻の山だった。このエリアは、十勝三股から徒歩で三国峠に向かい、途中で砂利道になったので、そこからヒッチハイクで上川に抜けた。 ところが2年前、廃道の本を作っているときに、nagajis氏から「十石峠を自転車をかついで越えた」と聞いた。まさかまさか。後日、写真を見せてもらった。本当に、十石峠に自転車が写っている。その写真は『廃道ナイト』でも使われたような気がするが、おそらくそのすごさに気づいた人はいないか、いてもごく少数だと思う。まさかまさかの峠越えである。 十勝三股は、もう8年ほど行ってない。いま、猛烈に行きたくなっている。いまこうして地形図を見ていて、置戸に抜ける勝北峠を走ってみたくなった。なぜ、自由に行けた時代に行かなかったのだろう? 知らなかったのかもしれない。 <参考> ・賑やかなりし十勝三股駅界隈(@golgodenkaさん) ・ツイート(@dodoshiryoさん) ・十勝三股あの頃。(編集長敬白) <関連項目> 糠平、昭和24年の20万図と昭和30年の5万図 PR |
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