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米坂線の玉川橋梁と杉橋梁に残る銘板について記す。
玉川橋梁はここ。


開通したのは1936年8月31日。この小国~越後金丸間の開通を以て、米坂線は全通した。

この部分にかかる橋は、4連のプレートガーダー。
20101025-04.JPG左が坂町方、右が米沢方。正式名称は知らないが、起点側=米沢側から、第1連、第2連…とすると、第1連は短く、第2連は一番長く、第3連は短く、第4連はすごく短い。

20101025-21.JPGこれが第2連・第3連だ。

これらのうち、第2~第4連の銘板が見えた。まず、第2連。
20101025-07.jpg日本国有鉄道
1967(711530)
KS-16 DG631-1
DG 48.7T 51.7m
**(52)31 3.3*116*
トピー工業株式会社

一番長い桁は、支間51.7mでトピー工業製だった。

次いで第3連。塗装標記から、支間19.2m。
20101025-06.jpg鉄道省
活荷重KS12 *で*219
川崎車輌株式会社製作
昭和十年 (*** 1163)
-------
**
L 日本鋼管株式会社
****株式會社
******
********

第4連。塗装標記から、支間9.8m。
20101025-05.jpg鉄道省
活荷重KS12 ***209
東京石川島造船所製作
昭和*年(***1534)
-------
L.八幡製作所
L.****会社
* ********
鉄 浅野小倉製鋼所

土木学会誌22巻9月号(1936年)の時報に「全通近き今坂線」(今坂線=今の米坂線)という記事がある。その中に、「第2荒川橋梁 101.3m」とある。これが、この玉川橋梁だと思う。追記:第2は、越後金丸のすぐ北に架かるものだった)米坂線の「第○荒川橋梁」という名称は、上り方・下流側である坂町側から「第1」「第2」と付番されている。また、同書には「丙線」と書いてある。丙線とは、軸重13tの規格である。それなのに、活荷重はKS12だ。

トピー工業製の第2連だけが、KS-16であり、また桁製作が1967年となっている。これは、1967年8月28日から翌日にかけての「羽越水害」で、この桁だけが傷んで交換せざるを得なくなったということだろう。羽越水害については小国町のサイトに詳しい。

なお、第1連の銘板や塗装標記は確認していないが、上記「101.3m」から類推するに、第1連の支間は19.2m(第3連と同じ)ではないかと思う。



次に、杉橋梁。この区間(手ノ子~羽前沼沢)の開通は、1933(昭和8)年11月10日。場所はここ。


20101025-19.JPG左端が米坂線の杉橋梁。真ん中はR113号の旧道。右は現道。

こんな感じで銘板がある。
20101025-20.JPG20101025-13.jpg
鉄道省
活荷重KS15*(で出519)
株式会社●●
松製作●●
昭和八年***1379
-------
**
L.八幡製鉄所
L.日本鋼管株式会社
●:●●●●●●
●:●●●●●●




鉄道用橋梁は、一定の範囲でテンプレート的に設計済みのものを各地に据え付けていく。ここ米坂線でもそれは例外ではなかった。玉川橋梁は活荷重KS12、杉橋梁はKS15。開通時期が異なるため、杉橋梁が架設された時期(米坂東線建設時)はKS15だったのが、全通区間(伊佐領~越後金丸間)はKS12で敷設されたのか…などとも考えてみたが、その差は3年しかない。そのため、杉橋梁がKS15である理由は謎である。

一方、玉川橋梁の第2連の活荷重がKS16であることは、単に、桁が1967年に作られたからに過ぎない。当時はKS16とKS18でしか桁を作らなかったはずだ。

なお、こうした活荷重は、クーパー荷重の解決」に書いたとおり、1D+4軸の機関車が重連で走ることを想定している。そのため、桁そのものが負担できる荷重としては、総重量から考えると、軸重が多少上回る機関車でも入線は可能だ。実際、そうした経験値で特例があった例はいくつか聞いている。

いつか、米坂線の全橋梁を調べてみたい。


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