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20101104-01.JPG

タグを一つしかつけられないのがもどかしい橋。高浜西運河にかかる道路橋の「芝浦橋」、その上にかかるのが東海道新幹線大井回送線の「芝浦併用橋」(手前)と休止状態の貨物線「芝浦併用橋」(奥)だ。

ここで「併用橋?」と思った方はするどい。(鉄道・道路)併用橋とは、鉄道と道路がともに同じ桁を走行する橋である。有名なものでは東京の勝鬨橋(都電)、愛知の犬山橋(名鉄)、岐阜の忠節橋(名鉄、右写真、 GNU Free Documentation License )がある(どれも鉄道は既に走っていない)。この橋は、道路部分と鉄道部分が同じ面に乗っているわけではないのに、「併用橋」と名付けられている。つまり、ひとつの桁を、道路と鉄道が供用しているということが名称からわかるわけで、分類としてはそうなるわけだ。



また、この芝浦橋を見た人は、関西本線第四大和川橋梁(大阪府)を連想するに違いない。こういう橋だ。ここに見えるトラスは「桁受トラス」と呼ばれ、通常は鋼製の箱を渡してビームとするのだが、ここではどうしたわけか、トラスがその代わりをしている。その理由が明記された文献にはいまだあたっていない。
.


さて、芝浦橋はここにある。東京都の海っぺり、運河にかかる橋だ。


より大きな地図で 芝浦橋 を表示

先に整理する。

道路橋の芝浦橋は、1970年5月、東京都港区建造。一等橋。
新幹線の芝浦併用橋は、1970年、日本国有鉄道。NP-18。1973年9月1日開通。
貨物線の芝浦併用橋は、1972年、日本国有鉄道。KSー18。1973年10月1日開通。現在休止中。

三橋とも、横河橋梁製だ。貨物線の桁のみ製造年が異なるが、設計は一体でやっていたと考えるのが自然だろう。

それ以前は、細い橋がかかるだけだったようだ。国土変遷アーカイブより転載。
20101104map.jpg.

どんどんディテールを見て行こう。

20101104-02.JPG冒頭の画像もそうだが、これが南側(新幹線側)。芝浦橋(道路橋)そのものは、斜橋ではなく通常の橋なのだが、その上を斜めに新幹線の桁が横切っている。その桁の脚が、芝浦橋のトラスに乗っかっているという構図だ。向かって右側が、端柱より出っ張っているというのがすごい。

そもそも、この程度の長さの橋なら、一等橋(活荷重の基準の一つ)とはいえ、トラス橋にする必要などないだろう。単純な上路プレートガーダー橋で十分だと思う。それなのに、この橋の側面にトラスがあるのは、トラスがその上を横切る桁の橋脚の役割を果たすからだろう。

真横(西から東側のトラスを見る)から。
20101104-06.JPG20101104-07.JPGトラスは5格間(△が5つ)なので、上左写真の右端と、上右写真の左端は同じ部分。

左側が貨物線の桁、右側が新幹線の橋脚。貨物線は、トラスを橋脚として使用し、新幹線は橋脚を介してトラスに接続している。また、貨物線に架線が張っていないのがわかるだろうか。

反対側(西側)
20101104-03.JPG新幹線の桁が、斜めに横切っているのがわかるだろう。新幹線の桁の橋脚の位置が、東側と異なる。

これも横から(東から西側のトラスを見る)
20101104-04.JPG20101104-05.JPG同様に、5格間なので上左写真の右端の△と上右写真の左端の△は同じものだ。

こちらから見ると、左が新幹線、道が貨物線。トラスへの乗っかかり方は変わらない。

寄ってみる。まずは新幹線の桁を支えるほう。
20101104-08.JPGトラスの上弦と、橋脚が剛結されている。いや、もともと上弦は、橋脚を剛結するためにこのふくらみと出っ張り(帯状にボルトが多数並ぶ部分)を持って製造されているようだ。


貨物線のほう。
20101104-09.JPGこちらはトラスに乗っかっているわけではなく、もはやトラスの上横構のような役割を兼ねているのではないか。こちらも、トラスの上弦に出っ張り(やはり、帯状にぼるとが見える部分)を備えた状態で製造し、そこに桁を剛結したのではないか。なんともすごい構造だ。

橋の上から、公園が見えた(地図参照)。そこに行ってみると、このように西側が見える。
20101104-19.JPG繰り返すが、左が貨物線ん、右が新幹線。こうして見ることで、画像右側、トラス側面に銘板があることが確認できた。

地図に示した公園から、支承を見る。
20101104-18.JPG道路橋だけで考えると、異様にでかい支承だ。だが、上に乗る桁と活荷重を考えれば、この大きさも納得だ。これは北西の支承。南西の支承も同様のピン支承だった。この支承部、トラスに縦長の部品をくっつけて、その接合面を鉛直方向にいったところにピンを設けて支承にしている。

北側。
20101104-22.JPG貨物線の桁が、トラスと一体化しているのがよくわかる。また、この径間だけ桁高さが低くされている。もともと、この芝浦橋は運河にかかる橋梁なので、桁下高さはある程度確保しなくてはならないので道路面を下げることはできない。それがこのような形を生んだのだろう。

これらのすべてに銘板があるので、掲載する。

●芝浦橋(道路橋)
20101104-20.JPG1970年5月
東京都港区建造
鋼示(1964)一等橋
製作 横河橋梁製作所 千葉工場
材質 SMA50S...SS41

●新幹線の桁
20101104-16.jpg日本国有鉄道
1970 NP-18
SS-40
横河橋梁製作所 千葉工場

材質
主桁 上フランジ・SMA41(?)
ウェブ・同上
下フランジ・同上
○○ ・SMA41

●貨物線の桁
20101104-11.jpg日本国有鉄道
1972 KSー18
WVBC 817-3
横河橋梁製作所 千葉工場

続いて塗装標記。
●新幹線の桁

20101104-15.JPG橋りょう名 芝浦併用橋
位置 大井回送線 5K696M
支間 12M471
塗装年月 1999年1月
塗装回数 2回塗
塗装種別及び塗料名 補修塗 亜酸化鉛さび止めペイント
中.上塗り 長油性フタル酸樹脂塗料(中)灰色1号 (上)灰色2号
塗料メーカ 大日本塗料株式会社
施工者 明治塗工株式会社

●貨物線の桁
20101104-10.JPG橋りょう名 芝浦併用橋
位置 元汐留東京貨物ターミナル間 3K758M16
支間 12M70
塗装年月 1990年10月
塗装回数 3回塗
塗装種別及塗料名 下塗 鉛系さび止めペイント
中・上塗 長油性フタル酸樹脂塗料
塗料メーカ 大日本塗料(株)
施工者 (株)中村塗装店

「元汐留」というのがなぜそうなったのか、知りたい。



とりあえずここまで。
この橋の紹介は『横河橋梁技報』創刊号(1972年1月号)に記載があるはずだ。いつか目にしてみたい。


参考サイト:『水路をゆく・第二運河』

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