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只見線の「会津川口」(金山町)があるあたりは、1955年の市町村合併まで川口村といった。周辺の沼沢村、本名村、横田村とあわせて金山村となったあと、1958年に町制施行して現在に至っている。

「川口」というのは、その名の通り、只見川と野尻川の合流地点であることに由来する。例えば、新潟県の「越後川口」は、信濃川と魚野川のそれである(埼玉県の川口市はこの類ではないようだ)。この川口橋は、国道252号が、野尻川が只見川と合流する直前の場所に架かっている。

最初に言い訳をしておくと、このときは、橋脚に見とれてそれをどう撮るかばかり考えていて、記録として必要な写真をずいぶんと撮らずにいてしまった。なにしろ川口橋(現橋)の写真がほとんどない。銘板があるかどうかすら調べていない。反省する。

20111030_000.JPG写真右が会津川口方、左が川口トンネルを経て只見方。写真右下に流れる川(右下から左に向かって流れている)が野尻川で、只見川は見えていない。

この写真でわかるとおり、川口橋の上流側に2組、旧橋の橋脚が残っている。そして、よく見るとコンクリートの桁らしきものも落ちている。

20111030_006.JPG下流側から見ると、さらに別の桁も見える。周辺が荒れているのは、平成23年新潟・福島豪雨によるものである。

国道252号のこの区間は、1990年に川口トンネルとともに開通した(はずだ。トンネルのみしか確認できていない、要確認)。それ以前は、いまは橋脚しか残されていない旧橋と、川口トンネルのある山塊を北に迂回するルート(現在は通行止め)であった。『改訂新版カシミール3D入門編』に同梱されていた2万5000図が、まだ旧ルートだったのでそれを掲載する(入手できる最新のもの、を使用したのだが、ウオッちずは更新されていたものの、データは未更新だったようだ)。

・地図A
20111030_map1.jpg(カシミール3Dと『改訂新版カシミール3D入門編』収録の地図を使用。)
川口トンネルがまだ描かれていない。また、川口橋の描かれ方が「/」のような角度がついている。

・地図B
20111030_map2.jpg(カシミール3Dと電子国土基本図を使用)
川口トンネルが開通している。川口橋の描かれ方が「-」となっている。川沿いに迂回する道は国道指定から外されている。

旧橋の時代を航空写真で見るとこうだ。
20111030_map.jpg国土画像情報より転載、トリミング)
上の「地図A」の時代のものである。川口橋は「/」の角度である。


冒頭写真の2組の橋脚の正体はまったく調べていないが、橋梁史年表によれば、

開通年月日: 1954-
橋長(m): 50.2
幅員(m): 5.5
形式: RC連続桁橋
下部工: 特記事項
出典: 福島県土木部 「福島県土木史」 平成2年 福島市

という記載(抜粋)がある。これは、旧橋なのか、旧旧橋なのか。

現状のみを報告する。
20111030_009.jpg現・川口橋のすぐ上流に1組(橋台も低い)、その上流にもう1組(橋台は高い)がある。状況からして、すぐ上流のが旧旧橋、その上流が旧橋だと推測できる。以後、それにならって記述する。旧橋は、両岸の橋台が残っている、というわけだ。

20111030_007.JPG現在の橋の上から上流側(左岸)を見下ろすと、このように見える。上が旧橋、下が旧旧橋。

旧橋(上)の上面は崩壊して鉄筋が剥き出しになっている。旧旧橋の上面には鉄の部材が三つと、コンクリートの突起が見える。

そして、旧橋・旧旧橋の高さはこれくらいである。豪雨の前、通常時でも、これらの橋脚は水面下にあったようだ。

20111030_005.JPG写真左の大きな橋台は旧橋、右下の石垣があるものが旧旧橋の橋台だと推測する。旧旧橋の橋台の高さには、車道と思しき幅を持つ道路状の平場がある。とはいえ、これらの橋脚は、通常時は水面下にあることもあったようだ。

旧橋の橋台の下部のえぐれ方がすごい。テトラ(じゃないよな、なんと言えばいいのだろう)が剥き出しになってゴロゴロしているのは、護岸がえぐられた跡である。それでもなお、旧旧橋の橋台が残っている。

20111030_001.JPG現橋の桁下より。ヘン橋は曲線桁である。橋脚の左(下流側)に、ひっくり返ったRC桁のようなものが見える(それもちゃんと撮ってないどころか観察してないとは!)

20111030_004.JPG旧橋の橋脚。なんともすさまじい。

この川口橋については、いろいろと知りたいこともあるのだが、今後の課題として記憶しておく。

























 
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