表題と目次から中身を期待して読んでいた。しかし、読み進むにつれ、「?」が増えていった。しっかり裏を取ってる部分もある。しかし、基本的な事実誤認や前後関係の誤認が多く、鉄道を知る者ならば誤記しようがないような誤記が散見される。また、世間風俗の記述になると、これまた10年の単位でおかしなことになっている。内容としては、コンビニ用の「500円雑学本」と同レベルの信頼性だった。
鉄道の専門事項の誤記(形式誤りなど)は、読み手が「誤記だ」とわかるレベルなのですっ飛ばすとして、誤解、誤説が蔓延しているものをさらに助長する記述や、誤解を広めかねない記述について触れておく。 ●サンパチ豪雪は、新潟県だけを襲ったものではない。 気象庁のサイト参照。 ●アジ電車は、昭和40年頃だけではない。 マル生粉砕!もあるんだから、藤井松太郎の時代にもあるでしょ。国鉄の労働運動史を押さえいないのに、アジ電車や首都圏国電暴動について書こうとしても無理。 ●遵法闘争は「それまでしていた違反をやめたもの」ではない。 違反どころか、定められた速度や常識的な能率よりも低い作業をすることで、処理を遅らせるもの。入換機関車の速度を異常な低さで行うことは、田端の機関士だった向坂唯雄氏が書いている。窓口業務も同じ。 ●大幹線はしっかり、ローカル線は安普請…ではない。 山陽本線は票集めと無関係。線路の凍上は近年でも抜本的な対策ができてなかったのに、それを明治時代に予見せよとは。なんでそれをバブル期のハコモノと同一視するかな。 ●マグロ処理=線路工手、ではない。 糞尿処理についても全般的におかしな記述。 ●ページは、ダイヤを盗まれたのではない。 そもそもフィンチの時代に特急なんて走ってない。ほぼ同時に刊行された『日本の鉄道をつくった人たち』で考察されている。見事に、その本で否定された説を踏襲してしまっている。本項は、その後の記述に2分目ダイヤと2分間隔運転の混同も見られる。 ●山手貨物線は、「わざわざ」遠回りに敷設したのではない。 上野と品川を結ぶには、いまの東京駅回りのルートが最短なのはもちろんだが、既に人口密集地だったため、野っ原だった赤羽-新宿-品川ルートで建設しただけ。 ●八重洲口は、国威掲揚のために「作らなかった」のではない。 いまの首都高八重洲線が外濠で、そこより東は野っ原。そしていまの新幹線ホームのあたりは東京機関区(当時)。だから、そんなところに駅の出入り口を設ける必要はなかった。 続くか不毛だからやめるか未定。 PR |
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