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20121008_001.JPG地図・地形図をはじめ、さまざまな媒体を通じて自在な視点を提供してくれる石川初氏の著書。Twitterなどで氏の考察が展開されていくさまをよく見かけるのだけれど(いや、とうに考察されたものを整理してポストしているのだろう)、本書はそれらの集大成である。「スケール」をキーワードに、目に見える、あるいは見えないものを「見る」ヒントが散りばめられている。

本書に書かれているひとつひとつの項目は、文字数こそ少ないものの、内容に触発されて自分で考えを巡らせたくなる良質なものばかり。いくつかは、大学の演習のテーマとして使われている。それに対する学生の発表も見事だ。

通底するテーマは、ものを見るときのスケールを切り替えること。この方法は、だれもがなんとなく知っているに違いない。ベストセラーの書籍を見ると「そういう切り口があったのか!」と感じることはよくある。スケールの切り替えは、切り口の切り替え。そして大切なのは、スケールを切り替える着眼点である。

世の中にはオリジナルの着眼点を持っている人はおそらくものすごくたくさんいて、それぞれ小規模に発信している。でも、それをもう少し広い場で発表する機会があると、「そうそう!」と賛同者が実にたくさん現れる。こうしたオリジナルの着眼点=スケール切り替え方法の知見の共有は、近年のネット/ソーシャルメディア/USTREAMなどの発達で楽しく共有されるようになってきた。この流れは、どんどん広がるべきだと思う。広がることは、視聴者・読者がそれまでに蓄積していた知識をさらに豊かにする。カルカルでのイベント『オレ鉄ナイト』で発表される数々は、この流れのひとつである。

まだまだこれからもたくさんの教えをいただくことになるだろう。そして、私も、また別の方面に、スケールの切り替えを提唱していきたいと思っている。10月14日のオレ鉄ナイト4に出るかも(連続で出過ぎているので自粛するかも)。本書との出会いに感謝。


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