(カシミール3D付属5万地形図より/元は数値地図50000) 全国を「平成の大合併」以前の市町村名で把握している中高年は多いと思う。上の地図画像には秋田県の鷹巣町・森吉町・合川町/二ツ井町の町村名が記載されているが、それぞれ北秋田市/能代市となった。 また、全国の全市町村のうちどれだけ足を踏み入れたかを記録している人も多いと思う。はにしなさんのサイト「市区町村訪問ポイント」などを使えば、便利に記録もできる。 いままで特に「全踏破」的なことは意識していなかったけれど、果たしてどれだけを踏破しているのかを知りたくなった。その際、現在の市町村ではなく、「平成の大合併」以前の市町村で把握したいのだ。なぜなら、「平成の大合併」では、あまりに多くの市町村が消滅し、広域になりすぎたので、例えば新潟県のJR越後線に乗って「長岡市に行きました」というようなことには違和感が大きいからだ。 私は2010年からGPSログを取得していて、身勝手な希望を言えば、 ・「市区町村訪問ポイント」の市町村界が「平成の大合併前」 ・自分のGPSログを重ねて表示できる と最高だ。でも、そういうのはなさそうなので、できる範囲で手作業で「未訪問市町村(平成の大合併前)」をピックアップしようと考えた。今後の旅先を考えるときに、優先的に選択するようにしたい。 * * *
さて、国土地理院の国土基本情報に、過去の市町村界のshapeデータがあるのは知っていたが、扱い方がわからなかった。shapeデータは、過去にillustratorに読み込むプラグインを使っていたことがあるけれど、GISデータとして扱ったことはない。 また、過去に「QGSIを使えばできるよ」と言われたことがあるけれど、QGISの使い方がよくわからず、また、おそらくPCのスペックの問題ですぐに不正終了してしまうことから、ここは諦めていた。使い慣れたカシミール3Dでいきたいのだ。 これらの問題は、位置情報データに ・shape形式 ・geojson形式 ・gpx形式/KML形式 とさまざまな形式があること、また、 ・カシミール3D ・スーパー地形 ・地理院地図 ・GoogleMaps ・QGIS で扱える形式が異なることによる。 もちろんそれぞれのファイル形式は必要があるから存在するのだけれど、(それぞれに特徴的なパラメータを捨象して)相互に変換できるならば、そういうコンバータを地理院地図が搭載してくれればいいなと思う。 …などという経緯がありつつ、「2000年時点での市町村データをGPSデータ(GPX等)として書き出せないかなあ」とtwitterに書いたところ、複数の方々から複数のご提案をいただいた。結果としてQGISも問題なく使えた。それらを整理して、自分なりに実現したのでメモとして書いておく。 最終的に完成したもの。青線が2000年10月1日現在の市町村界、赤線は私のGPSログ(2010年9月~)。赤い線が入っていない市町村は、2010年9月以降には足を踏み入れていない市町村。しかし、JR線を中心に、過去には足を踏み入れたところもそれなりにある。 市町村名は表示されないが、それははにしなさんのサイト「むかしの市町村境界マップ」と比較して手作業でピックアップし、画像に手書きしていくことにする。 2000年10月1日現在の市町村界をカシミール3D+地理院地図で表示したもの。GPSログと重ね合わせるにはメモリが足りない…(後述)。 * * *
手順はこうだ。 ①国土数値情報から該当のshapeデータをDL ②QGISに読み込ませる ③QGISでgeojsonで書き出し ④geojsonをgpxに変換 ⑤カシミール3Dに読み込み 順次、説明する。 * * *
①国土数値情報から該当のshapeデータをDLhttps://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-N03-v3_1.htmlサイト上部には最新のデータがある。スクロールさせていくと都道府県別になり、それぞれいろいろな年のデータがあるので、任意のものをダウンロードする。私は「平成12年」(10月1日現在)を選択。これを47回繰り返す。一度にDLできる方法はない。 DLしたzipには、この五つのデータが格納されている。任意の場所(例:デスクトップに新規フォルダを作り、そこに)にすべて解凍しておく。 ②QGISに読み込ませるQGISはフリーウエア。インストールしていない場合はこちらからDLできる。windows版は1.2GBある…。それを開く。①の五つのデータのうち、「.shp」ファイルをQGISにドラッグする。全47ファイルをまとめてドラッグしてもいい。 ③QGISでgeojsonで書き出し左下「レイヤ」ウインドウに、いま読み込んだファイル名が表示されるので、右クリック→[エクスポート]→[新規ファイルに地物を保存]。 このウインドウが表示されるので、「ファイル名」横の「…」で保存先を選択し、任意のファイル名を入力し(例:ファイル名「01」をデスクトップに保存する)、[OK]。 ④geojsonをgpxに変換サイト「GeoJSONからGPXへの変換」を開き、「01」を画面上部にドラッグする。アップロード終了後、「名前を付けて保存」のところで任意のファイル形式を選択し、「保存」すると変換が始まる。なお「GDB」というファイル形式は、カシミール3DのGPSデータの保存形式と同じ拡張子だが、まったく無関係なので、これで保存してもカシミール3Dでは読み込めない。 変換が終わると画面が切り替わるので「今すぐダウンロード」。 このような形でgpxファイルに書き出された。これを47回繰り返す。 ⑤カシミール3Dに読み込みカシミール3Dに47個のGPXファイルをドラッグすれば完了。 ただし、注意点がある。47都道府県の市町村界データをカシミール3Dに読み込ませると、約280MBになる。それだけならば上記画像のように表示できるが、私のGPSログは約320MBあり、それと重ねるにはメモリが足りなかった。落ちる。よって、北海道/東北/関東…などのように分けて重ねる必要がある。これはPCのスペックの問題と思われる。 私がまとめたgpxデータを無料で頒布しても問題ないと思うのだけれど、無制限でのそれはしないでおく。ご希望の方がいらっしゃいましたら個別にtwitterにてDMください(相互の方に限ることでコントロールします)。 * * *
ご教示くださいました皆さま、ありがとうございました。以前はすぐ落ちたQGISも、使えました。多数の処理をさせると落ちますが…。 spl thnx to Einshalt えぶり 小久保せまき shigudora わくらば (敬称略/順不同) ●関連項目 「平成の大合併」前の市町村界・市町村名・県界とGPSログをQGIS上で重ねて表示する方法 「平成の大合併」前の市町村界をiPhone・iPadに表示する/GPSログがないのは400強 PR (地理院地図+カシミール3D) 毎年恒例、1年間のGPSログ。今年は「46都道府県」に足を踏み入れた。残念ながら沖縄県だけ、相変わらず、ない。 個人的に特筆したいのは、ようやく太平洋フェリーに乗れたことだ。新潟が実家の私には、仙台~苫小牧のフェリーを使うなら、新潟~苫小牧東/小樽のほうが、実家にも立ち寄れるので使い勝手がいい。でも、経験として乗ってみた。GPSログのために1等に乗った。 GWは中国地方ツーリング。夏休みは北海道ツーリング。11月に九州ツーリング。そして年末は九州・四国ツーリング。宿泊したのは約半分の22道府県(東京都を除く)。キャンプは15~16泊くらいだろうか。船中泊は4泊。同じ県に複数回泊まっていたりもするので、平均週イチ以上となる。 ログのうちいくつかは、丸田祥三さんの新刊『廃線だけ 平成・令和の棄景』の撮り下ろしの取材に同行させていただいたもの。名古屋往復、山口往復、北陸を2周、秋田往復等々。その成果は満を持して2024年に結実する。ぜひお楽しみに。 今年は少し未乗の鉄道路線に乗った。「乗りつぶし」はできる範囲でしていたのだけれど、自分で決めたルールに則って、2万251kmまで来ていた。あと約1500km。ということで、5月の九州遠足と、6月の「大人の休日倶楽部パス」の時期を使って900km強に乗り、年末のツーリングの途中で予讃線海線に乗ってきた。残るは500km弱だ。 2024年は、とりあえずは2月に熊本往復の飛行機をとってある。また、来年こそ沖縄に行きたい。沖縄に行ったら行きたいところは山ほどあるが、まずはGPSログを一通り取得するために走り回りたい。GWにバイクで行くか、閑散期の週末に飛行機+レンタカーか。後者かな。レンタバイクもいいな。来年もほうぼうに行きたいと思っています。 2022年のGPSログ 2021年のGPSログ 2020年のGPSログ 2019年のGPSログ 2018年のGPSログ 2017年のGPSログ 2016年のGPSログ 2015年のGPSログ 2014年のGPSログ 2013年のGPSログ 別海町の指定文化財として保存されているJR標津線の奥行臼駅には、いくつかの、駅施設に付属する建物も保存されている。駅舎や歴史は多くの人が書いていると思うので、ここではそれらをアップする。 なお、駅舎については、詳細な報告書が2023年6月に公開されている。 ● 旧開拓使別海缶詰所、および旧奥行臼駅本屋 実測調査報告書 風呂小屋。中に入れないのが残念だが、浴槽が見えた。公衆浴場のように煙抜きがある。基礎が新しいが、この建物は春別駅に残されていたものを移設したもの。罐はよくわからなかったが、石炭だろうか。 石炭小屋。遠目では、貨車の廃車体のようなサイズ。柱は古レールで、壁は古枕木。ここにバラ積みというか、ストックされていたのだろうか。蒸機への給炭ではなく、駅舎や風呂場、職員宿舎の燃料用だろう。冒頭の報告書では「諸舎4号」、1933年築。 これは、報告書で「詰所1号」としてあるもの。1933年築で保線員のための詰所らしい。 保線倉庫。報告書では「倉庫1号」、1940年築で1959年に増築。かなり傾いている。向かって右手は保線用の車両が納められていたのだろう。 冒頭写真、駅舎左にあるのはおそらく「井戸屋●(判読不能)」、つまりは井戸のための小屋か。 駅舎の事務室内には入れないけれど、覗くことはできる。また、待合室部分は見学できる。待合室に掲げられている運賃表は、ローカル仕様か。というのは、国鉄では、どんなに小さな駅でも、東京都区内や大阪など、全国の主要駅が記載されるのが常だったからだ。そのあたりの規程はあるはずなので、見てみたい。 |
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