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数値地図。PCで閲覧できるこの数値地図に、とっくに廃止になった路線が描かれていて驚くことがある。

20120515_009a.jpg数値地図5万にある、渚滑線。最新の刊行は平成17年。紙地図のほうの5万図「滝上」の図歴を見ると、なんと昭和52年11月30日編集版が最後。そして、世界測地系に対応させた際も、同じものを測地系だけ変えて、同じ昭和52年11月30日編集」のまま刊行している。

当然。数値地図化する際にはその地図を使うため、こうして渚滑線が残ってしまったわけだ。

これは誤記ではなく経年変化について行けていない例だが、地形図にも誤記はある。二種類あって、一つは登山道などが実際の位置と微妙に異なるもの(資料を基に地形図を作成するときなどにできやすい)、もう一つは完全な誤記、単純ミスである。

上の地図、よく見ると。
20120515_009b.jpg「おちんない」。

ゆうちんない
×ちんない


どうしてこうなった?

地名は「おちんない」で正しい。真偽は不明だが、「おちん」がよろしくないとして駅名を「ゆうちん」とした、と聞いたことがある。国鉄は平気で漢字や読みを現地と異なるものにするので、ありうる話だ。

* * *

次。
20120515-999.JPG
新潟交通の電車線が載っている。これは数値地図50000「新潟」平成17年10月1日版。次の平成22年5月1日版では、残念ながらなくなっている。

…待て。ここもおかしい。

◎ひがしおやま
×ひがしおやま


開業年からして、もしかしたら昭和50年代にした誤記がそのまま受け継がれたのかもしれない。

(地図はすべてカシミール3Dを使用した)
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『カシミール3D』で北海道の地図を閲覧する、という作業をずっと繰り返している。標高データと組み合わせた地図を拡大率を小さくして地形図を見ていると、思わぬおもしろさを発見する。

…といいつつ、地形とは関係ない、おもしろい表現をひとつ。
(地図はすべてカシミール3Dを使用した)

上春別。
20120515_000.jpg.

中西別。
20120515_001.jpg.
西春別。
20120515_011.jpg.

地名表記が、あたかも市街地を囲む城壁のように配置されている。

文字の配置は地形図製作者のセンスによるものだろうが、これは遊びの要素も含まれるのだろうか、それとも何か一定の決まり事に沿って配置したらこうなってしまうのだろうか。

広い地域で見ると、こんな分布。

20120515_010.jpg根釧台地は格子状防風林で知られている。地形図からもそれがよくわかる。真実はともかく、地図鑑賞者として、それになぞらえて見てしまった。


●おまけ

20120515_012.jpg冒頭の3図は、国鉄標津線とは直接の関係がない場所だが、この地に鉄動があった名残が、近くの地名に残っている。
 
十勝三股の地形に関連して。

今現在、『カシミール3D』解説本の制作作業中なのだが、テストがてら旧版地形図を画像化したものに標高データを与えてみた。旧版地形図を画像化する際にはどうしても歪みが生じるため、厳密な重ね合わせはできていないので、その点はご了承いただきたい。

どちらもまだ「糠平国道」R273は開通していないため、その位置を、私が実際に走ったときのGPSトラックデータを載せてある。

●20万分の1「北見」(昭和24年7月25日発行)

20120408_mitsumata.jpg昭和3年編纂、同24年修正版。

国鉄士幌線は十勝三股まで開業している。当時は盛況だったはずだ。『十勝の森林鉄道』によれば、昭和25年から33年まで、十勝三股から先は音更森林鉄道が木材の搬出をしていた。

まだ糠平ダムができる前で、ということは、糠平ダムの工事中および完成後も音更森林鉄道は稼働していたのであり、それにしては音更森林鉄道はあまりに知られていない気がする。

これを見ると、三国峠(赤いルートが超えている峠。実際はトンネル)の右にあるかなり低い鞍部、勝北峠(三股と置戸を結ぶダートの抜け道)のほうが、置戸や北見に抜けるのにはいいのがよくわかる。三国峠を越えるのは、層雲峡を抜けて上川盆地を目指すためだとは思うが。

●5万分の1「ニペソツ山」(現:糠平、昭和30年8月30日発行)

20120408_nukabira.jpg大正9年測図、昭和30年資料修正(行政区画)。

なぜか、士幌線がまったく入っていない。大正9年の時点では、まだ上士幌までしか開通していなかったのだが、図歴を見ると昭和24年にも資料修正をしている。なぜ、二度目の資料修正でも鉄道を書き入れなかったのだろうか。

赤い線が現在の道路。左に突出した凸の下側にあるループ状の赤は、かつて糠平駅があった場所。その北側を一直線に三国峠に向かうルートを見ると、糠平国道の規模がわかるというものだ。


鳥瞰図は2点とも、DAN杉本氏のカシミール3Dを使用して作成した。



ちょっと仕事が忙しく、お茶濁しのようなことしか書けていないが、いずれ。



 
20120224.jpg練馬区内の、環七外回りにある空き地。「空き地」としか形容のしようのない空間。

ここは、環七が整備されて以来、ずっと空き地なのだろうか。

環七に限らず、かつてあった畑や宅地の区割をほとんど無視して直線的に道路が作られる際には、こうした場所が多く現れる。画面右に見切れているビルは、上空から見ると三角形だったりする。土地が三角形に切り取られても、そこそこの面積があれば、活用できる。

ここに環七が通る前はどうだったのか、などと考えて古い航空写真を見ても、そもそもこんな小さく区割されておらず、広大な畑だったりする。また、1974年の航空写真を見ても、この大きさでは当時どうだったのかまでわからない。ここに家があったことがあるのかないのか。それだけが気になる。




新潟県中越地震。書きたいことは山とあるが、今回は、12月10日に開催された『地図ナイト2』会場で買った『マップMEMO』に関することを書く。

20111210_000.JPG『マップMEMO』とは、更新されて販売できなくなった地形図の裏をメモ用紙としたもので、75枚綴り。2万5000図、5万図、20万図が適当にばらけており、いくつか重複もある。地形図も「1枚」ではなく「部分」とすることで、またおもしろい発見があることを教えてくれる、とてもメモにも使えないものである。それでいて、100えん!

パラパラめくっていたら、山古志の地図があった。

20111210_002.JPGこの地図は見覚えがある。『山さ行がねが』で繰り返しレポートされていた地域だ。下部のため池は、地震でできてしまった「天然ダム」だ。南側に導水路を掘り、芋川(この地図の範囲外、南にある。それが南に流れ、魚野川に合流する)に結んでいる。

(周辺図)
20111210_005.jpg(赤枠が上の写真および後述する地図の範囲)


この『マップメモ』には、たくさんの×印がある(黄色で強調)。間違いなく、震災で通行止めになったことを意味している。一部を拡大してみよう。
20111210_001.jpgいろいろ比較してみると、どうやらこれは過渡期のものらしい。国土地理院のサイトから、図歴を震災の日付と共に確認してみると、次のようになる。

●2万5千分1図名: 小平尾 おびろう

・平成13年(2001年) 修正 平成15年(2003年)6月1日発行
 ・平成16年(2004年)10月23日 新潟県中越地震
・平成18年(2006年) 更新 平成18年(2006年)1月1日発行
・平成19年(2007年) 更新 平成22年(2010年)2月1日発行(現行のもの)

これから考えるに、『マップMEMO』に収録されたものは、平成18年更新のものに違いない。震災以前はこの天然ダムもないし、周辺の道路もまったく異なるから、平成13年修正ではありえない。

カシミール3Dの解説本に収録されている地図と「山旅倶楽部」の地図で見てみた。

●山旅倶楽部(改訂)
20111210_004.jpg平成23年(2011年)4月にリリースされた物である。おそらく、当時入手できる最新の数値地図を使用している。

冒頭の、×印が多々ある地図より、さらに最新の情報に更新されている。本図が収録されている数値地図25000「高田」は平成19年(2007年)10月1日に刊行されているので、紙の地形図の現行版に等しいと思われる。『山さ行がねが』で活用されたのも、この版であろう。

●『カシミール3D GPSで山登り』(平成19年<2007年>4月刊)収録の地図
20111210_003.jpgこれは震災前のものだ。数値地図が改訂される前のものなので、旧版となっている。カシミール3D解説本は、刊行時に「入手できる最新の地図」を使用しているのだが、数値地図25000高田の前回版は平成17年(2005年)9月1日刊行であり、そこに収録されているのは平成13年版であった。


あいにく、地形図の図式に明るくない。しかし、冒頭の『マップMEMO』にある×印は、通行不能箇所を図示したものだろうことは予想がつく。中越地震の傷跡を記録したものが、4年間、売られていたとは。そして、その版のものは、数値地図として売られていないとは。その版が、今後、売られることはまずないだろう。永遠に、その版は「旧版地形図」の中に閉じ込められてしまった。残念だ。

『マップMEMO』からの偶然の出会いで知った、中越地震復興の記録であった。


(写真に撮ったものは『マップMEMO』、それ以外はカシミール3Dと山旅倶楽部を使用した)


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