7月18日(月・祝)、カルカルで開催された『地図ナイト!』に行ってきた。出演者は次のとおり。 ・田代博氏(パソコン通信の時代から展望をPCでシミュレーションしている地理教諭。富士見研究家) ・今尾恵介氏(地図・鉄道 研究家) ・平井史生氏(気象予報士) ・近藤賀誉氏(東京カートグラフィック) ・野々村邦夫氏(元・国土地理院長、現・日本地図センター・理事長) ・小林政能氏(日本地図センター・エンターテイメント担当) 詳細なレポはいずれ公式であがるからそちらに任せるとして、このイベントで「自分にとって、地図とは?」という点に思いが至ったので、そんなことを整理してみる。 ●「地図」と「マッピング」は違う 今回は『地図ナイト』であり、『マッピングナイト』ではない。その違いはどこにあるのだろうか。 ・地図…眺める対象(物) ・マッピング…地図(に類するもの)に働きかける/を作る行為(意識、動作) と考えるとわかりやすい。(「作る」は石川初氏の示唆による) カルカルでは、過去に2回、『マッピングナイト』を開催している。その内容は、まさに後者のようになっている。対して、今回は『地図ナイト』である。地図を眺めるのが好きな人たちのイベントかな…と思いつつ参加して、まさにそのとおりだった。 平井氏は、マッピングに近い発表だったが、他の人は、地図に働きかけたり、地図を作ったりはしない。「すでにある地図」を読み、そこになんらかのおもしろみを見出す。昔からいる「地図好き」の遊びだ。そのためか、カルカルが初めて、という客が半分くらいだったと思う。また『マッピングナイト』に来ていた層とも異なると感じた。 こうした、「地図好きが地図を眺めているときに考えがちなこと」を可視化すると、とてもおもしろい。 ●紙地図のよさ・ネット地図の限界 紙地図のよさは、その大きさである。PCのモニタで見るネット地図とは異なり、その何倍もの大きさで見ることができる。 国土地理院が作る2万5000分の1地形図が「ウオッちず」としてブラウザで見られるのは周知の通りだが、当然のごとく、最大でもモニタサイズ、多くの場合はその数割減の面積にしかならない。 (地図閲覧サービス2万5千分1地形図名:茂倉岳(高田)) ここは群馬・新潟県境の清水峠で、上越新幹線や関越トンネルが近く、山岳地としては谷川岳や巻機山などの三国山脈の一角である。しかし、まったく周囲が見えないので、清水峠をご存じない方は、ここがどこだかわからないだろう。 こうした問題は、同類のサービスでも同じだ。 (電子国土) いま、ウオッちずは電子国土に準じたものに切り替わりつつあるので、同じものである。 以前のタイプも見ることができるが、状況は同じである。。 (ウオッちず) 2万5000分の1地形図は、もっともっと大きな範囲を一度に見ないと、把握しづらいのがわかるだろう。 古い地図のアーカイブも状況はいっしょ。たとえば明治20年の東京都内の地図。2万分の1。 (東京近傍図 中部) この図は、ブラウザ内で自在に拡大・縮小、移動ができるのだが、この窓の大きさでは…。 縮尺の小さなものではもっと顕著だ。 (五千分一東京図測量原図 東京府武蔵国北豊嶋郡高田村近傍) 現在の新宿区西早稲田付近、東京専門学校というのは早稲田大学だ。いま大隈講堂があるあたりの「大隈邸」も見える。この迫力は5000分の1ならではだが、ブラウザではこんな狭い範囲しか見ることができない。もしこれが紙であれば、周辺まで広く見て把握することができる。 私がネット地図の表示範囲の狭さを不満に思うのは、ものごとを俯瞰してみる視点を取り去ってしまうからだ。上の地図でいえば、神田川は当時、どこからどうどうなって流れていたのか、ということを、マウスでドラッグすることも、ホイールで拡大縮小することもなく、視線を移すだけで把握できたら! いつもそう思う。 また、ネット地図は、サイトによってUIが異なることも大きなストレスだ。国土地理院のサイト内だけでも異なる。中の人が「電子国土、じゃなくて原始国土だ」といらだつのも当然である。 ●ウオッちずの危機? 今日、田代博氏のサイトに「地形図が危ない!」と題された一文が掲載された。実は、上記の清水峠の地図も、その話題に関係している。 送電線や発電所が消えている。 私は、国が制作する地図は、プレーンな情報が掲載されているものが望ましいと思う。目的別ではなく、国土がある姿そのものを描いたもの。また、一度盛り込まれた情報は、その情報が消滅したり、より重要な情報に干渉するものでない限り、落とすべきではないと思う。しかし、現在の電子国土基本図は、テロ対策名目で、そこに存在する大きな構造物をなきものにし、「不要だろうから、もうこの情報は掲載しないよ」という基準で歴史的な事項を切り捨てていく。やめてくれ。 地形図だけが送電線や発電所を消してなんになる? 過去に公開された膨大な地図、そして民間による地図や衛星画像。それらに写っているものを、地理院だけが消してどうなる? なお、「送電線は、登山のランドマークになるから消すな」という意見もあるが、個人的には激しく同意するものの、本質ではないと思う。なぜならば、ランドマークが必要ならば、東京タワーやスカイツリーもそれなりに図示すべきという話になるからだ。地形図に掲載する条件は、ランドマークであるか否かではない。情報として掲載する価値があるか否かだ。 「地図ナイト」。地図を肴に酒を飲むことができる人が楽しむイベント。マニアだと言われようが、これはこれで楽しい。一歩引いた目を持っているからと行って偉いわけではない。写真好きがカメラ好きである場合があるように、地図好きは地図そのものも好きな場合もある。 イベントで、そんなことを考えた。 イベントでは、DAN杉本氏制作の「カシミール3D」を使用したスライドや話がいくつも出た。会場でも「カシミール3D」の本を販売していただいた。ご購入いただいた方、ありがとうございました。また、販売にご協力いただきました(財)日本地図センター様、厚くお礼申し上げます。 PR
(小舟渡橋より先に…)
昨年、ガーミンのdakota20を購入後、地形図はカシミール3Dから切り出して転送して使用していた。不便な点はサイズに制限があることで、2万5000分の1地形図なら、東京都全部をdakota20に入れることはできない。便利な点は無料である、ということだ。 旅行時でも、PCを持参することでなんとかしていたのだが、10年ぶりに北海道ツーリングに行けることになり、対策が必要になった。そこで、TKAから「日本地形図25000全国版 microSD版」を購入した。地理院の2万5000分の1地形図が全国分入って、2万4800円である。なお、dakota20は、イギリスの自転車屋から購入している。そのほうが安かったからだ。当時222.12ポンド、現在のレートなら2万8000円ちょっとだ。当時は3万円を切る、くらいだったと思う。アメリカでは349.99USDだ。 さてこの「日本地形図25000全国版 microSD版」(以下「本地図」とする)。予想以上にすばらしかった。以下、キャプチャ中心に。 まず、セットして[Setup]→[Map]→[Map Information]をタップすると、このようになる。 Enabledとなっている、「TopographicMap25k」というのが2万5000分の1。その下の数字(2011068286)は、おそらく「2011年6月版」ということだろう。ほかに「RoutingMap」「Topo50m」が同時に利用できるようになる。 これで、スケールを変化させると、それにあわせて省略された地図が表示されるようになる。TKAによれば 5m~200mスケールまでは25000分の1の地形図、300m~800mスケールまでは空間データ基盤(25000)を元にした地図、1.2kmスケール以降は広域地図が表示されます。 となっている。 これまで「カシミール3D」からマップを切り出し、[CustomMap]として利用していた人もいるだろうが、そのままの設定では、CustomMapのデータがある部分では、本地図より優先されてそちらが表示されてしまう。 80kmより大縮尺だとこんな感じ。(800kmスケールが限界) 50kmスケールからは、高速道路だけが表示される。12kmスケールからは国道と500m刻みの等高線も表示される。左画像は5kmスケール。 左の地図になぜ500m刻みの等高線があるかといえば、標高0mと1mとの境に等高線があるためだ。以下同じ。 3kmスケールから1.2kmスケールまでは、どういう基準かはちょっとわからないが、細かな市街地の道路が出てくる。等高線は200m刻みとなる。 800mスケールからは、ほぼすべての道路が表示される。この段階で見えている道路は元データから機械的に拾ってきたものらしく、夕張のシューパロ湖にかかる三弦橋までが「ルート」に選択できる(たぶん)道路として描かれてしまう。 なんでそんなことに気づいたのかというと、地図入れて真っ先に見たのがここだったからだ。 等高線は50mごと。 200mスケールから、いよいよ国土地理院の2万5000分の1地形図となる。2万5000分の1は、市街地で利用するには大雑把すぎる。自宅周辺では、道路はおよそ半分がはしょられている印象だ。わりとよく、道路のない場所を歩かされる。 等高線は地形図と同じ10m。だたし、50mごとに、別データによる等高線が重なるので、多少の見苦しさがある。これを消すためには、[Setup]→[Map]→[Map Information]で、「Topo50m」を「Disabled」にすればいい。これを「Disabled」にしても、800mスケールより大縮尺の地図での等高線の見え方は変わらない。 ちょっと戻って。カシミール3Dから切り出したカスタムマップも「Enabled」にしておくと、このようなハイブリッドな表示となる。右下のごちゃごちゃした画像が、カスタムマップだ。山手線内北半分を、jpeg品質3で使用していた。 カスタムマップとの境目。左の、R254が黄色く表示されているのが本地図、肌色表示なのがカシミール3Dから切り出した地図だ。後者がjpeg低品質としてあるからだろうか、粗い。 もっと拡大するとこうなる。どちらも元データを数値地図に取っているためどちらも「紙の地形図」の区切りにあたる部分で画像がうまくつながらない部分がある。 左の、本地図のクッキリ度がよくおわかりいただけると思う。川がきちんと水色になるのが嬉しい。 ここからは、本地図のデータ。 2万5000分の1地形図としての使いやすさは、200mスケールから120mスケールまで。その次の80mスケールでは、周辺がわからなくなる。そして50mスケールではこんな。紫色の破線は、地下鉄駅の表記。わかりづらいからか、電子国土では、地下鉄駅は破線ではなく塗りつぶされた四角になっている。 等高線は、ここまで拡大すると、「50mごと」の黒い線との誤差がはっきりとわかるので、やはり「Topo50m」は「Disabled」にしておくのがよさそうだ。 赤いトラックデータが絡まっているのは、本日買い物をした池袋のエルブレス。買ったものはこれ。 さらに拡大して20mスケール。実用性は既にない。なにしろ、網目が全く別のものに見えてしまうほどだ。道路ももはや道路の体をなしていない。 最小縮尺、5mスケール。もし仮に地形図が正確だとしても、GPSの受信精度がそれを越えるかどうか。 以上、Dakota20とTKA「日本地形図25000全国版 microSD版」の相性というか表示についてのレポートである。 結論:この地形図、早く買ったほうがいいですよ。 初めて『二輪車ツーリングマップ』(マップ「ル」ではない)を買ったのは1993年頃だと思う。B6判で、ページ展開もメッシュではなく「ライダーが走るだろう方向」で組まれていた。ダート路面の情報は、九州など一部の地図に掲載されていたのみ。また、北海道の情報は、国道の鋪装化が進行していた時期でもあり、ちょっと古いなと思っていた。 これはこれで、地図として必要十分な情報が盛り込まれている。ピンクのマーカーは、私がバイクで走った道路である。おまでいうログ取りのようなことをやっていた。2001年ころから、仕事の忙しさなどの環境の変化もあり、バイクに乗る距離がぐっと減ってきた。ロングツーリングも行かなくなった。代わりに仕事でバイクをクルマに積んで北海道から九州まで行っていたので、最初はクルマで走った道を別の色のマーカーで塗ったりしていたが、めんどくさくなっていつしかやめてしまった。クルマで走ることは、バイクで走ることとは違う。そう思ったからだ。 ライダー向けの情報量は変わらない。しかし、文字が3割ほど大きくなって、地図である部分をスポイルし、字名や小学校などの表記も省略している。なんなんだこれは。こんなもの、地図じゃない、地図に名を借りた情報誌だ。レジャーガイドブックや自治体の刊行マップで、地図に関してなにも意識のない人が作った下手くそな地図を見てげんなりすることが多々あるが、それに近い。これが、長年信頼を勝ち得てきた昭文社の地図か!
5月27日(金)、永田町の憲政記念館の敷地内にある日本水準原点が公開されるというので行ってきた。
入るなりこれ。 んー…。6月3日が測量の日なのはわかるんだけど、でも今日は5月27日で、6月3日には公開してないんだ…。 こんな感じで、大日本帝国水準原点を収めた建物(標庫)の前にはテントが張られ、国交省関東地方測量部の方々が説明のために何人かいた。 私が行ったのは仕事の打ち合わせが済んだ13時頃。まあ、お昼休みの間だ。けっこう、人はひっきりなしに来ていて、常時5人くらいは見学していた感じだ。 日本水準原点についての説明。 隣接して、こちらはそれを収める建物(標庫)の説明。 これが標庫だ。石造に見えるが、後述のとおり、内側は煉瓦のようだ。それをコンクリートで塗り固めているように見えた。 さて、ご本尊。 このように、扉を手前に倒して開けると、中に水準原点がある(扉は開いている)。縦長の透明のもの(白く写っているもの)が原点の目盛りであり、水晶でできている。 その前にはコレが置かれていて、覗くと こう見える。水準測量の例なんだろうと思い込んでいたが、なんのために、どうやって使うのかの説明をしてもらえばよかった。 真裏に回る。 裏側には、表側よりも大きな扉がついている。先の、水晶が埋め込まれた石は舟形をしていて、そのお尻の部分に「明治二十四年辛卯五月建立 陸地測量部」とある。説明員は「辛卯」を読めないし説明できなかったのだが、それじゃいかんだろう。1891年(明治24年)の干支だ。 この「明治24年5月」が重要。それにちなんで、水準点が24.5mに設定されている。しかし、関東大震災で地盤が沈下したため、先の水晶の目盛り「0」の位置が24.414mになってしまった。現在は、ここから水準測量で各地の水準点の高さを定めている。建前では。 今回、私が滞在していた20分くらいの間で「東日本大震災の影響で、この水準原点が動いたりしなかったのですか?」という質問を5回は聞いた。「まだ精密な測量をしていない。すべてはっきるするのは9月頃になるのではないか」ということだ。同じことを繰り返し説明しなければならない説明員にちょっと同情する。 この水準原点が、どのように地盤に固定されているかを図解したもの。煉瓦積みなんだ…。 さて、テント内には関連した掲示がいくつかある。ここで、「標高」について説明していた説明員が、しれっと「ジオイド」という単語を発していたが、ふつうの人は理解できないでしょ…。 陸地測量部。映画『剣岳 点の記』の原作を読む際には必要かも…。 「今に伝わる明治の測量標識」」。へー。。。 いままで何度か機会があったが、「こういうものがある」と知っていればそれでいいとも思っているので、スルーしていた。でも、GPSを使い始めてから、見るのは義務であるような気がしていた。おもしろいものだ。 見たからどうだということはないけれど、「見たことがある」と言えるようになった。ついでに、憲政記念館前の道、いつもバイクや自転車で通っている道を歩いたということが嬉しかった。
ソフトバンククリエイティブのサイエンス・アイ新書。サブタイトルが「なぜ昔の人は地球が楕円だとわかった? 航空写真だけで地図をつくれないワケは!?」。
内容は、地図製作の歴史=「地球」のとらえ方の歴史から、近代の三角測量、GPS測量に至るまで、なかなかわかりやすく解説している。さすがに著者は地理院の技官であっただけに、実際の2万5000分の1地形図を起こす際のエピソードがいくつか盛り込まれている。 けっこうな紙数が割かれているのがGPS測量の問題点や写真測量。本書の約半分は、そうした話だ。だからこそこの本を買ったのだ。おそらく著者が直接携わった「現場」なのだろうと思う。GPSを使って地図とリンクさせていたり、航空写真を眺めることが好きな人が読んだら、GPSや航空写真への興味というか知識が深まると思う。 ただし、記述は舌足らずである。地理の専門用語がばしばし出てくるのだが、その解説が文章だけだったり、具体例がなかったりするのだ。添えてあるイラストの一部が、理解を妨げるようになっているものもある。 たとえば… (1)ジオイド面 簡単に言うと、もし海面が陸地まで浸透していたら…という面で、「標高」の基準であるのだが、その説明がなかなかまどろっこしい。本書だけでは理解できないと思う。 wikipediaの図がいちばんわかりやすい。 (wikipediaのファイルをキャプチャ、転載。ライセンス=CC-継承 3.0 非移植) 1が平均海水面。海水面は周辺の陸地(というか、海水ではない部分)の密度などにも影響を受けるので、地球楕円帯(仮想の地球の形状。そもそもその定義すらいくつもある)とは異なる。2が、その地球楕円体。3はジオイドそれぞれの点おける鉛直線。4が地表面。5がジオイド。5のジオイドから4の地表面までの距離が標高となる。 私はGPSで表示される「標高」が地球楕円帯からの高さであってジオイド面ではない=地形図の表示と異なる」ということを本書を読むまで知らなかった。このあたりのことと、その問題点は本書で詳しく説明されているので、GPSをお使いの方はぜひ見たほうがいい。「GPS使いなら知ってて当然」だったらすみません。 (2)スクライブ これは、製版・印刷の流れが分からないと、まったく理解できないだろう。本書では「スクライブ製図は、ポリエステル系の樹脂へ不透明の膜を塗布したベースに、編集した地図画像を焼き付け、記号部分の塗膜を針で削り取る方法」と書かれているが、その「ベース」がなんなのか、理解できないと思う。 印刷には「刷版」というものが必要である。要するに、8ページ、16ページをひとまとめにした金属製の薄い板状のハンコである。その刷版を作るのに、以前はエッチング処理を要し、というとエッチングを説明しなければならないが、金属板のハンコ(刷版)は、金属を腐食させてオスメス部分を作る。そのときにフィルムを使うのだ。フィルムが透明な部分がハンコ(刷版)のオス、黒い部分がメスとなる。フィルムは、実際の誌面のネガ(白黒反転したもの)となっているので、スクライブ製版というのは、直接、真っ黒(ではないけれどイメージとして)のフィルムを針でケガキしてオスとなる部分を描いていく方法である。 ここまでお読みいただいてから武揚堂のサイトをご覧いただければ、合点できると思う。 さらにスクライブの現実は、フグの女王様のサイトで理解がするむと思う。このサイトはTUBEグラフィックスの方のようだ。私は面識はないが、たぶんあの方。TUBEグラフィクスは仕事上でもお世話になっているし、常に注目しているグラフィックデザイン集団だ。このサイトにあたったのは、偶然である。 (3)空中写真を使っての図化 これは、いまでも理解できていない。「(位相を変えた空中写真を置いた後)お測定のための『ポインター』(メスマーク)には、顕微鏡の先で浮き沈みするしくみがあって(後略)」とあるのだが、「ポインター」がどんなものなのか、なぜそれが浮き沈みするのかがわからない。1990年代前半に『山と渓谷』に地図製作の特集があった気がするのだが…。 などと勝手なことを書いてきたが、別に、理解できなければ自分で探求すればいい。この手の、地図の根本的な定義を問う本としては手軽な価格であり、そこを評価したい。願わくば、地図の定義やGPS測量についてだけ書かれた続編を。 ついでに。 検索中に発見した「写真測量」とそれを継いだ「写真測量とリモートセンシング」という研究誌のPDF。おいておきます。例えば第1巻には「写真測量の現状と問題点」などという論文があります。 『写真測量』(1962年~1974年) 『写真測量とリモートセンシング』(1975年~) |
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