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20110611_002.JPGひさびさに「英国系100フィートポニーワーレントラスの横桁考」を書く。秩父鉄道の見沼代用水橋梁だ。現地は引いて撮れる場所に恵まれず、いささか苦しい写真ばかりになってしまった。

見沼代用水についてはwikipediaをご参照いただきたい。

歴史的鋼橋集覧によれば、この桁はパテントシャフト&アクスルトゥリー製らしい。「縦桁に陽刻がある」とあったが、それを見たのは帰宅後だ。もちろん、写真を撮っていないどこか実見もしていない。情けない。先にその縦桁を見る。

20110611_006.JPG英国系100フィートポニーワーレントラスは、左右のポニートラス間に横桁を1パネルにつき2本載せ、その上に縦桁を置き、その上に縦枕木を置いた上でレールを敷いた、というのはさんざん書いてきた。だから、縦桁とレールが同一面になる。上の写真で縦桁の間にあるのはレールではなく護輪軌条、中央は歩行用の桟である。

20110611_001.JPG横桁は、このとおり1パネル間に2本。

20110611_003.JPG横桁は曲線型である。

20110611_005.JPGいままで見てきた中で、同じパテントシャフト&アクスルトゥリー製の同型トラス橋では、横桁が「落とし込み型」だったが、この桁では曲線型となっており、横桁の形状は異なる。

(参照)
英国系100フィートポニーワーレントラスの横桁考(8)関西本線木津川橋梁

一方、製造メーカー不明の伊達橋(福島県、まだ記事化していない)の横桁が、これと同タイプである。
20110611_008.jpgひとつの定規(基本設計)でいくつものメーカーが製造した英国系100フィートポニーワーレントラスは、簡単に「横桁が同じ形だから、メーカーも同じだろう」ということができないのは過去に見てきた。だから、伊達橋がパテントシャフト&アクスルトゥリー製だという断定はしない。なお、伊達橋については『日本の廃道』47号にTUKAさんの詳しい記事が掲載されている(だから私はまだ記事を書いていない。書く必要がない)。

20110611_004.JPG橋台。煉瓦製。縦桁が載る部分は床石となっている。

20110611_007.jpg塗装標記。

塗装年月日 1991年3月20日
下塗 SDシアナミドサビナイトJIS-K-5625-2種
中塗 橋梁用SDマリンペイント中塗JIS-K-5625-2種
上塗 橋梁用SDマリンペイント上塗JIS-K-5625-2種
施工者 内藤塗装工業(株)

塗装後20年。ややくたびれている。

それぞれのトラス橋で異なる英国系100フィートポニーワーレントラスの横桁の形状がバラバラである…という謎は、相変わらず謎のままだ。


(追記)
前面展望を動画で撮ってきた。東行田→武州荒木。e-p1で手持ち。

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