山手線/地形散歩(1)池袋-巣鴨の続き。
(杉本智彦氏制作のカシミール3Dと解説本付属地図と基盤地図5mメッシュで作成) 巣鴨から駒込の間は堀割、駒込から築堤、堀割となって田端に降りていく。巣鴨の堀割の中は標高20mほど、駒込は地平~築堤だけれど標高13mほど、田端は標高4mほど。縦断面図は持っているのだが、手元にないのでとりあえずは5m標高メッシュからの読み取り値。 【写真1】染井橋から巣鴨方向(左=山手貨物線、右=山手線) 山手貨物線の擁壁は石垣、山手線の擁壁はコンクリート。あれ? ここらへんって、現・山手貨物線側が先に開通して、現・山手線側が増設部分だっけ? 要確認、自分用メモ。 【写真2】駒込駅を通り過ぎ、南側から振り返る 跨線橋にひかれませんか。徐々に右上に登っていく、傾いた跨線橋。骨組みはプラットトラス。この部分、Googleのストリートビューで見ると、化粧直しする以前のものが写っている。 大きな地図で見る これを見ると、跨線橋の骨組みはそのままに外板等を張り替えただけのようだ。いいね、不用意に全面改築せず、使えるものはそのまま使うという姿勢。 なお、駒込駅は2006年に改装され、駅入り口などが大きく変更された。Googleの衛星写真では、改装前の状態を見ることができる。ストビューは改装後、現地はまだ囲いが残って工事中なので、これらの情報は鵜呑みにしないほうがいい。 【写真3】駒込駅東口の南側と中里道架道橋 石貼り(いま「いしばり」と打ったら「砭」と出てきて、こんな単語初めて知った)が悪目立ちしていて目がいくが、石垣が隠されている。こんな化粧石張りはイラネだ。 ここは自由通路。写真で言うと奥左に改札口がある。どう見ても人道なのに「制限高2.3m」とある。白い天井は鈑桁であり、その橋梁は「中里道架道橋」という名称だ。支間、わずか5.5m。 後日、ホームから撮影した。 線路に対して道は斜行しているので、少しずつずれて設置されている。この鈑桁は古い。 桁に陽刻がある。赤い文字で書いておいたので、拡大してご覧いただきたい。 LANARKSHIRE STELL Co (LT?←確認できず)D SCOTLAND
SIEMENS MARTIN ACID PROGRESS acid progress。なんだろう。なにを酸で処理するのだろう。 銘板もあるが、塗装でつぶれて読めない。橋梁のメーカーと考えていいのかどうか、銘板が読めないのでわからない。この区間の開業は1903年、基本的に橋梁はまだ輸入に頼っていた時代。水道橋や御茶ノ水のハーコート製の桁は1904年製だ。 LANARKSHIRE STELLについてはこちらに英文の解説がある。興味深い部分だけざっくり訳すと、 #そのホームページのトップサイトはこちら。読んでおいたほうが良さそうだが、まずは足下を固めないと…。とりあえずブックマーク。 また、小倉沙耶さんのサイトによれば、日本の鉄道車両の台枠も製造していたようだし(私はそこらへんの総合的な知識は持ち合わせていない)、検索するとよくヒットするサイト「我が人生の垢」によれば跨線橋の部材としても使われている。 この桁は支間5.5mと短いながら、4主桁である。内側1組はちょうどレールの真下になる。架道橋であるため、桁下空間を確保する必要があり、極力鋼材の垂直方向の寸法を詰めた結果ではないかと考える。 【写真4】中里用水架道橋を北側から ここにも桁下高の小さな架道橋。橋台は煉瓦とコンクリート。その理由を、 サイト「山手線が渡る橋・くぐる橋」では線増にまつわるのではないかと推測している。こちらのサイトには桁転用の面白い仮説が記載されていて、大変におもしろい。 支間は6m、桁は4主桁。 この「中里用水架道橋」は、その名からして、水路を渡る橋だったに違いない(そこらへんの知識も持っていないため、まったく検証できていない)。 この部分を走行中の電車内から撮ってみた。 【写真5】中里第一隧道を北側から golgodenkaさんより「径間1m以上が橋梁」とのご指摘をいただきました。『鉄道構造物探見』(小野田滋著)に記載されていたということですが、もちろん私も参照している…はずなのですが…(恥 田端まで書くつもりだったが、長くなったのでここで切って、続く。 参考:山手線が渡る橋・くぐる橋 PR |
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